飲用乳の約8割を占めるスーパーのプラスチック容器


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 消費者のし好は、脂肪分を調整した飲用乳に変化 ● ● ●

 デイリー・オーストラリア(DA)の「In Focus 2006」によると、豪州の牛乳などの飲用乳に対する消費者のし好トレンドは、普通牛乳(Regular Milk)のタイプから、脂肪率を1〜2%に抑えた部分脱脂乳(Reduced Fat Milk)や低脂肪乳(Low-fat Milk)といった脂肪分を調整した飲用乳(Fat Modified Milk)へと確実に変化している。また、チョコレートやイチゴ味を施したフレーバー牛乳(Fresh Flavoured Milk)も消費量を伸ばしているが、一方で、ロングライフ牛乳(UHT Milk)の消費量は、ここ数年、増加の伸びが鈍っているとしている。


● ● ● スーパーマーケットでの販売割合が高い飲用乳 ● ● ●

 豪州の飲用乳情報を見ると、全国展開する大手乳業として、「プラ」ブランドで知られるナショナル・フーズ、「デイリー・ファーマーズ」ブランドで知られるデイリー・ファーマーズ、そして、「ポールス」ブランドのパーマラットなど三大飲用乳メーカーを中心として、このほかに地域に根付く乳業メーカーが加わる。

 飲用乳販売を見ると、1999/00年度のスーパーマーケットにおける販売割合は全体の50.0%であったのに対し、2005/06年度は、57.1%を占めるようになった。

 また、スーパーマーケットで販売される中小乳業の飲用乳は、1999/2000年度は25.0%であったものが、2005/06年度は、55.0%を占めるようになっており、これは、スーパー各社のプライベートブランド製品としての供給が増加したためで、その平均販売価格は、普通牛乳の製造特化や3リットルといった大型容器を投入することで、大手乳業に比べかなり安価に設定されている。


● ● ● 3リットルのプラスチックボトル容器が消費増に貢献 ● ● ●

 一方、スーパーマーケットで販売される容器を見ると、利便性からプラスチック容器が主流となっており、今では、飲用乳の78.0%を占めるまでになっている。

 またスーパーマーケットで販売される容量にも、大きな変化が表われている。いままで一般的であったのは、2リットルのプラスチックボトル容器で6年前までは49.0%を占めていたが、今では、40.0%に減少しており、同様に、1リットルの紙パック容器と1.1リットルのプラスチックボトル容器は、33.0%から23.0%に減少している。対照的に、3リットルのプラスチックボトル容器は、爆発的に増加しており、わずか9年前の98年6月に店頭で販売されて以来、13.0%から33.0%もの著しい増加を示している。

 2005/06年度のスーパーマッケットの平均販売価格を見ると、大手乳業の商品は、リットル当たり前年度を4%上回る1.81豪ドル(172円:1豪ドル=95円)であるが、中小乳業は、同1.8%上回る1.16豪ドル(110円)となっている。

 豪州の飲用乳輸出量の相手先は、75%がアジア地域であり、この大部分は、ロングライフ牛乳として輸出されている。

スーパーで販売される飲用乳(05/06年度)


資料:DA


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