口蹄疫の侵入防止に向けた国境監視を強化 ● 南 米


ボリビアの口蹄疫発生件数3件に

 ボリビア政府が国際獣疫事務局(OIE)に報告した資料によると3月3日現在、同国北東部のサンタクルス県における口蹄疫の発生件数は4件となっている。

 第1例目は、サンタクルス県コルディシェラクアの牧場で1月10日に発生し、患畜数は疑わしいものも含め牛36頭、豚10頭となっている。第2例目は、同県アンドレスイバニェスの牧場で1月29日に発生し、疑わしいものも含め牛626頭となっている。第3例目は、同県チキートの牧場で1月27日に発生し、疑わしいものも含め牛1,403頭となっている。第4例目は、同県アンドレスイバニェスの牧場で2月9日に発生し、疑わしいものも含め牛142頭となっている。

 ボリビア政府の家畜衛生業務担当者は、口蹄疫感染の拡大を防ぐため、口蹄疫が発生した周辺地域に対して家畜の移動制限、畜舎の消毒、家畜市場の閉鎖などの緊急措置を講じていると話している。


周辺各国は国境監視を強化

 ボリビアの周辺各国は、同国からの家畜および畜産物の輸入を停止するとともに以下のような対応をとっている。

 (1) ブラジル

 ボリビアと国境を接する4州(マットグロッソ州、マットグロッソドスル州、アクレ州およびロンドニア州)の国境監視を強化するため、各州の公安部門、警察および軍も参加し、検疫施設の数を増加する。マットグロッソ州では口蹄疫ワクチン接種を開始することとしている。

 ブラジル連邦政府は、ボリビア政府の要請に基づき、専門家を派遣するとともに、ワクチンの寄付も行うこととなっている。

 (2) アルゼンチン

 空港における手荷物検査などの検疫強化、隣国から入国する車両に対する消毒を実施している。

 (3) パラグアイ

 隣国から入国する車両に対する消毒を実施している。

 (4) ウルグアイ

 隣国から入国する車両に対する監視を強化するとともに、口蹄疫ワクチン接種を全国的に開始することとしている。

 一方、周辺各国の畜産関係者は、今回発生した口蹄疫はブラジル、パラグアイ、ボリビアの3国の国境が交わる地域の家畜衛生管理が不十分であることを示すもので、口蹄疫ワクチン接種により一時的に口蹄疫が撲滅されたかのように見えながらも、未だ再発していることを指摘するとともに、ワクチン接種の重要性が再認識されたとしている。


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