アルゼンチン、バイオエネルギー利用規則を決定


バイオエネルギー利用促進に関する規則を発表

 アルゼンチン政府は、バイオエネルギー利用促進に関する政令第109/2007号(2007年2月9日付け)を発表した。これはバイオエネルギー利用促進に関する法律第26,093号(2006年5月12日付け)に基づくものである。

 バイオエネルギー利用促進に関する法律の概要は以下の通りである。

 (1) 関係省庁から構成されるバイオエネルギー利用促進諮問委員会を設置すること

 (2) 政府は、バイオエネルギーの品質基準の決定、生産工場の認可および検査などを行うこと

 (3) 2010年1月から国内で販売されるディーゼル油ならびにガソリンの中に、5%以上バイオディーゼルならびにバイオエタノールが含まれていること

 (4) 混合に利用するバイオディーゼルならびにバイオエタノールは認可された生産工場から購入すること

 (5) 認可された生産工場の施設機械および生産されたバイオエネルギーに対して減税措置を講じること

 次に、バイオエネルギー利用促進に関する政令の概要は以下の通りである。

 (1) バイオエネルギーの利用促進に関しては、連邦企画・公共投資・サービス省(公共事業省)が担当すること

 (2) バイオエネルギー利用促進諮問委員会は関係行政機関に対し、援助および助言を与えること

 (3) 安全な操業および環境への配慮などが確認された生産工場に認可を与えること

 (4) 公共事業省はバイオエネルギーの販売価格を決定すること

 このようにバイオエネルギーの生産および販売段階において政府関与が大きいことが特徴である。


民間では輸出振興策を要望

 2010年からのガソリンなどへの混合のために、アルゼンチンの国内消費に必要なバイオエネルギーは1年当たりバイオディーゼル64万トン、バイオエタノール16万トンと見込まれている。アルゼンチンバイオエネルギー協会のモリナ会長は「政令の発表はバイオエネルギー利用促進に重要な意味を持つ。今後の投資計画に基づく予測では1年当たりバイオディーゼル200万トン、バイオエタノール120万トンのバイオエネルギーの生産が可能になると見込まれ、新しい市場の誕生に寄与することができる。しかしながら、法律および政令には国内消費向けのバイオエネルギーに関する振興策は含まれているものの、輸出に関する振興策が含まれていないなど施策の改善の余地はある」と述べている。

 (筆者注:320万トンのバイオエネルギーの生産をすべて穀物で賄った場合、おおよそ1,000万トンの穀物が必要と見込まれる。アルゼンチンの主な穀物の2006年生産量は大豆4,050万トン、トウモロコシ1,450万トン、小麦1,260万トンとなっている。)


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