飼養頭数は90万9千頭と過去2番目の実績、稼働率も5.4ポイント上昇
豪州フィードロット協会(ALFA)は2月7日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。これによると、2006年12月末時点の総飼養頭数は、干ばつによりフードロット向け出荷が増加したことで、90万9千頭と前回調査(2006年9月末)に比べて3.1%増加した。これは、2006年6月時点に記録した94万頭に次ぐ実績となっている。また、フィードロット収容可能頭数は、109万2千頭と前回調査から3.6%減少したが、飼養頭数の増加によりフィードロットの稼働率は83.2%と、前回調査から5.4ポイント上昇して高い稼働率となっている。
東部主要州を中心に各州とも増加
季節的な変動要因を考慮し、州別のフィードロット飼養頭数を前年同期と対比してみると、主要肉牛生産地であるクイーンズランド(QLD)州、ニューサウスウェールズ(NSW)州を中心とした増加が目立っている。また、干ばつの影響が大きい南オーストラリア(SA)州の伸びも大きい。なお、西オーストラリア(WA)州については、経営難で頭数を減らしていたフィードロットでの頭数回復がその要因として挙げられる。
州別飼養頭数内訳
フィードロットの飼養頭数を仕向け先別に見ると、輸出向け飼養頭数は57万9千頭、飼養頭数に占める輸出向け割合は63.7%と、輸出需要を背景に前回調査に比べて数ポイント上昇した。また、国内向けについても、一定の品質を求めるスーパーなどからの需要を背景に、引き続き増加傾向となっている。
仕向け先別飼養頭数内訳
フィードロットの経営環境は悪化、2007年は挑戦的な年
フィードロット飼養頭数が増加した要因についてALFAでは、豪州国内での干ばつにより、フィードロット向け出荷が増加したことに合わせ、国内外からの需要が高かったことを挙げている。特に輸出に関して、日本向け輸出と並び韓国向け輸出が好調であったことが、フィードロットの飼育頭数を押し上げたとしている。2006年のフィードロットからの総出荷頭数は、262万6千頭と前年に比べて0.6%、2004年との比較では17.1%の上昇となった。
一方で、干ばつにより高騰が続く穀物価格は、フィードロット経営に大きな重圧を与えているとしている。ALFAによると、飼料用大麦の平均価格は、2006年第4四半期がトン当たり329豪ドル(3万1,255円:1豪ドル=95円)に達し、第3四半期から59%、前年同期から92%と、いずれも大幅に上昇している。また、ソルガムについても、2006年第4四半期でトン当たり302豪ドル(2万8,690円)と、同49%、同88%の上昇となっている。この結果、高い牛肉需要にもかかわらず、フィードロットを取り巻く環境は悪化しており、干ばつの状況が長引けば、経営面への影響もより深刻さを増すとみている。
2007年の見通しについてALFAでは、穀物価格の上昇とアジア市場への米国産牛肉の輸出増加で、フィードロット産業にとっては、より挑戦的な年になるとしている。
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