2007年の牛肉生産量は、前年を下回る見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 600ポンド以下の体重の軽い肥育素牛の導入は大幅に減少 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年のフィードロットへの導入頭数は、南平原を中心に深刻な干ばつの状態が続いたため、フィードロットへの肥育素牛の導入が通常より早く進み、前年比0.3%増の2,363万5千頭となった。体重の軽い肥育素牛の導入頭数の増加が著しく、600ポンド(約270キログラム)以下で同15.1%増の649万頭となったことが、導入頭数全体にも影響したとされる。しかし、2007年に入り放牧地の状態が改善したことや、飼料価格上昇によるフィードロットでのコスト高の影響から、2007年1〜5月の導入頭数は前年同期比1.5%減の904万1千頭となった。体重別に見ると、600ポンド以下の導入頭数が、前年同期比14.6%減と大幅に減少した。それ以外の階層は、それぞれ微増となった。

 なお、2007年5月の導入頭数は前年同月比14.0%増の190万3千頭となったが、その内訳を見ると、600ポンド以下の体重の軽い肥育素牛は同4.5%減となったのに対し、700ポンド以上は同24.9%増と大幅に増加するなど、今後は体重の重い素牛の導入が進むことが予測される。

フィードロットへの体重別導入頭数の推移(1〜5月)


● ● ● USDAは2007年の牛肉生産量を下方修正 ● ● ●

 USDAは、4月に発表した2007年の牛肉生産量の予測を、1,194万1千トンから、1,185万7千トンへと下方修正した。2006年にかけて多く導入された体重の軽い肥育素牛が、市場出荷されるまでには数カ月かかることや、2007年の子牛と畜頭数が高水準で推移していることが影響している。

 2007年上半期(1〜6月)のと畜頭数を見ると、前年同期比1.8%増の1,694万4千頭の増加となったが、畜種別では、去勢牛、未経産牛のと畜頭数は、それぞれ同4.5%減、同2.1%減となった。

 なお、米国農務省農業マーケティング局(AMS)が取りまとめた2007年1〜4月の格付け実績を見ると、全体重に占めるチョイス級の割合は、前年同期比1.4ポイント増の58.6%と増加したものの、プライム級、セレクト級はそれぞれ、同0.1ポイント減の2.7%、同1.3ポイント減の38.5%と前年とほぼ同水準なった。なお、これらの牛肉はテーブルミートとして消費されている。

格付け実績(1〜4月)


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