国内外の需要増を背景に、豚肉生産量は引き続き増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年第2四半期の飼養頭数は前年同期比1.7%増の6,275万頭 ● ● ●

 米国農務省(USDA)は四半期ごとの豚飼養動向調査を発表した。これによると、2007年第2四半期(6月1日時点)の豚総飼養頭数は、前年比1.7%増の6,275万頭となった。飼養区分別に見ると、繁殖豚(雄を含む)は同0.9%増の611万6千頭、肥育豚が同1.8%増の5,663万4千頭となった。

 また、生産量の目安となる子豚の生産頭数も、2007年3〜5月は同2.1%増の2,714万頭と増加となったほか、一腹当たりの子豚産子数も、前年同期に次ぐ高い水準となる9.15頭と記録を伸ばした。

子豚生産頭数の推移

一腹当たりの子豚産子数の10年間の推移


● ● ● 2007年第2四半期の生産量は前年同期比2.4%増 ● ● ●

 USDAによると、2007年第2四半期(4〜6月)の豚肉生産量は前年同期比2.4%増の232万6千トンと堅調に推移している。これは、(1)米国産豚肉に対して引き続き高い輸出需要があること(2)2007年以降、豚肉以外の食肉(牛肉、鶏肉)価格が生産量の減少に伴い高値で推移しており、国内においても豚肉の需要が(小売ベースのみならず、ホテル、レストランなどからも)増加していること−などに起因していると分析されている。

 牛肉、鶏肉の生産量が伸び悩む中、豚肉生産量は増加の一途をたどっており、USDAの予測によると2007年は前年比1.9%増の973万4千トン、2008年は同0.8%増980万9千トンが見込まれている。


● ● ● 米韓FTAにより、韓国向け豚肉輸出量の増加に期待高まる ● ● ●

 6月30日、シュワブ米通商代表部(USTR)代表と韓国の通商交渉本部はワシントンで両国の自由貿易協定(FTA)に署名した。

 全国豚肉生産者協議会(NPPC)は、同月20日、米国貿易委員会(ITC)において、今回の合意により、現在米国産豚肉の最大輸出先である日本向けの2倍の輸出量が、今後韓国へ仕向けられるであろうと述べるなど、米国産豚肉のさらなる輸出意欲を示した。2006年の輸出全体に占める韓国向けシェアは9.8%で輸出国第5位となったが、今回のFTAにより今後のシェア拡大が見込まれる。



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