● ● ● 歴代三番目の豊作 ● ● ● 米国農務省(USDA)が12月に公表した粗粒穀物需給予測によると、世界における2006/07年度の粗粒穀物生産量は、前月予測より452万トン上回る9億6,898万9千トンへ上方修正された。この増加要因は、世界で二番目のトウモロコシ輸出国であるアルゼンチンとブラジルの生産増によるものとしている。特に、両国におけるトウモロコシ生産量は、生育環境が良好であることに加え、トウモロコシの国際価格が高値で推移していることを受けた生産意欲の高まりから、作付面積が増加しているとしており、両国のトウモロコシ生産量は、前月予測より、それぞれ183万トン、100万トン上回と見込まれている。
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資料:USDA/FAS |
粗粒穀物の貿易量を見ると、アルゼンチンとブラジルのトウモロコシ生産量の増加から、輸出量は、前月予測より71万トン上回る1億520万5千トンへ上方修正された。両国からの粗粒穀物輸出量は、前月予測より、それぞれ110万トン、50万トン上回ると見込まれている。
また、EU25カ国の輸入量は、生産量の減少から増加しており、前月予測より60万トン上回る419万5千トンへ上方修正された。これは、EU委員会が、10年来の高値であるEU域内の粗粒穀物価格を抑えるため、介入在庫を取り崩し域内に売り渡すものの、粗粒穀物の国際価格が高値で推移していることから、介入在庫の売渡価格を上回る価格での輸出も認めているためとしている。このことで、介入在庫は減少するとともに、輸入税の引き下げも行われていることから、ブルガリアやルーマニアなど東欧諸国からの輸入量が増加している。また、EU域内の粗粒穀物価格の高値から、ハンガリー産トウモロコシなどは域外に輸出せずにEU域内で流通しているとのことである。
EU25カ国の粗粒穀物在庫量
資料:USDA/FAS |
世界における2006/07年度の粗粒穀物在庫量は、南アフリカ共和国およびブラジルで増加したため、前月予測より249万トン上回る1億2,413万5千トンへ上方修正された。南アフリカ共和国の在庫量は、前月予測より132万トン上回る241万3千トンへ上方修正された。これは、南アフリカ共和国の通貨であるランドが、米ドルに対して強いため輸出量が減少するとしている。
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