2006年の牛肉生産量は前年比5.2%増の見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 気象条件の悪化で、と畜頭数増加 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年のと畜頭数は3,238万2千頭と90年以来の低水準となった。しかし、2006年のと畜頭数は9月を除くすべての月で前年同月を上回って推移しており、1〜11月のと畜頭数は前年同期比4.6%増の3,108万4千頭とやや増加した。その内訳を見ると、去勢牛が同4.7%増の1,644万3千頭、未経産牛が同0.8%増の918万9千頭、乳用経産牛が同4.5%増の218万5千頭とそれぞれ増加したが、中でも、肉用経産牛は同19.1%増の278万頭と大幅に増加している。2006年のと畜頭数が増加傾向で推移している要因として、干ばつなどの気象条件の悪化によって肉用経産牛のとう汰が早まったことや、飼養頭数が増加していることなどが挙げられる。

牛種別(1〜11月)のと畜頭数

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

● ● ● 1頭当たりの枝肉重量、前年を上回って推移 ● ● ●

 USDAの予測によると、2006年の牛肉生産量は前年比5.2%増の1,178万トンと増加が見込まれている。これは、と畜頭数の増加に加え、1頭当たりの枝肉重量が2004年4月から一貫して前年同月を上回って推移していることが背景にある。2006年1〜11月の1頭当たりの枝肉重量(平均値)は、353キログラムで、2005年の348キログラムと比較すると5キログラムも増加している。これは、2006年第2四半期(4〜6月)と第3四半期(7〜9月)にかけて、未経産牛のと畜頭数が前年同時期に比べ減少したのに対し、生体重量の大きい肉用経産牛のと畜頭数がそれぞれ前年同期比15.9%増の72万9千頭、同27.9%増の77万4千頭と大幅に増加したことが2006年の1頭当たりの枝肉重量を押し上げた一つの大きな要因とされる。

 なお、2007年の生産量も前年比2.8%増の1,211万トンと予測されているが、穀物価格の上昇が予測されることから、2006年に比べてその伸び率は小さくなると見込まれている。

1頭当たりの枝肉重量の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


牛種別と畜頭数の推移(2005年と2006年の比較)

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


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