DA、輸出は安定市場である日本を優先


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 干ばつで、今期初めて減産となる10月の生乳生産 ● ● ●

 豪州の生乳生産は例年、10月にそのピークを迎えるが、デイリーオーストラリア(DA)によると、2006年10月の生乳生産量は、前年同月を1%下回る118万4千キロリットルとなった。前年同月割れは、今期(7月以降)初めてとなる。2006/07年度(7〜10月)の生乳生産量は、前年同期を3%上回る368万9千キロリットルであるが、DAの11月以降の生乳生産見通しでは、豪州東南部における干ばつの悪化を考えると、大きく減少することは、明らかに避けられないとしている。

 このような中、DAは、生乳生産の減産見通しや、長引く干ばつにより酪農家の経営状態が悪化していることなどから、11月に行われた年次総会では、来年度に酪農生産者の投票が予定されている生乳生産者課徴金の額の見直しについて、現状に据え置きがふさわしいとの考えを表明している。


● ● ● DA、輸出は安定市場である日本を優先 ● ● ●

 DAのジニバン代表取締役は、豪州の長引く干ばつから、日本国内で豪州産乳製品の供給に懸念が持たれていることについて、最大の顧客である日本向け輸出を優先させる考えを示した。同取締役は、乳製品需要の大きな伸びを見せる中国市場とFTAが発効した米国市場の世界二大市場への輸出増加の期待は大きいが、安定的な市場としての日本の重要性は変わらないとしており、中国市場をはじめとするアジア市場への輸出量を削減してでも豪州産乳製品輸出量の2割を占める日本市場を優先させるとしている。


● ● ● 乳製品国際価格の下落から輸出額は減少 ● ● ●

 DAによると、2006/07年度(7〜10月)の乳製品輸出量は、前年同期を7%上回る30万5千トンとなり、輸出額は、同1%上回る8億7,601万豪ドル(815億円:1豪ドル=93円)となった。このことについてDAは、輸出量が伸びているものの、国際乳製品価格の下落傾向から、平均輸出単価が下がっており、輸出額の伸びが抑えられているとしている。

 輸出品目別に見ると、輸出量が前年同期比で増えたのは、チーズ、粉乳、バターの順で、それぞれ14%、5%、4%となり、中でも高付加価値製品であるチーズの伸びが目立っている。

乳製品の輸出量、輸出額(7〜10月)

資料:DA
注1:バターはバターオイルを含む。
注2:粉乳は脱粉、全粉およびホエーを含む。


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