● ● ● 米ドル安の影響で、輸入量は前年同期比1.5%減 ● ● ●
米国農務省(USDA)によると、米国の豚肉輸入量のほぼ全量をカナダ産、デンマーク産が占めており、カナダ産においては全体の約8割に及ぶ。過去10年間で、輸入量全体に占めるカナダ産の割合は、68.4%から13.3ポイント増の81.7%まで増加している。一方、デンマーク産は21.8%から12.1ポイント減の9.7%にまで低下しており、同国の輸入シェアは減少の一途をたどっている。
USDAによると、2006年1〜9月の豚肉輸入量は、前年同期比1.5%減の33万4千トンとなった。輸入量が減少した背景には、為替が米ドル安で推移し、輸入コストが上昇したことがあるとされる。国別に見ると、輸入量第1位のカナダ産が、同3.4%減の26万5千トンに減少し、輸入量第2位のデンマーク産は同2.8%増の3万7千トンとわずかに増加したものの、ポーランド、オランダ、ハンガリーからの輸入量は軒並み減少となった。なお、2006年の輸入量についてUSDAは、前年比1.2%減の45万6千トンを予測している。
豚肉輸出量に占めるカナダ産・デンマーク産の割合
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 |
国別豚肉輸入量の推移(1〜9月)
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 |
● ● ● 2006年の生体豚の輸入頭数は、肥育素豚が増加 ● ● ●
USDAによると、2006年1〜9月の生体豚輸入頭数(ほぼ全量カナダ産)は前年同期比7.0%増の642万5千頭と増加し、減少する豚肉輸入量とは対照的な結果となった。これは、カナダが米国産トウモロコシの輸入に対して暫定的に2006年4月まで相殺関税を課していたことにより、肥育コストの増加を見込んで第1四半期の米国への輸出頭数が増加したことなどが影響している。近年の急激なカナダドル高は、輸出依存度の高いカナダの養豚産業に大きな影響を与えている。生体豚輸入頭数の内訳を見ると、50キログラム未満が同12.2%増の450万4千頭、と場直行豚は同3.3%減の192万1千頭となっている。
なお、2006年全体では前年比6.9%増の875万5千頭が見込まれている。
カナダ産生体豚輸入頭数の推移(1〜9月)
資料:USDA「Livestock, Dairy
and Poultry Outlook」 |
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