第6回アセアン+3農相会議など開催
シンガポールにおいて11月13〜17日、アセアン各国と日中韓3カ国(アセアン+3)による農林水産分野における協力体制の確立を目的とした高級事務レベル会議(SOM)および閣僚レベルでの会議が開催された。最終日の17日にはアセアンに日中韓を加えた13カ国による農業担当閣僚レベルの会議で、現在進められている東アジアで災害時に米を援助し合う米備蓄構想や高病原性鳥インフルエンザ(AI)対策への協力などが協議された。また、13〜16日には、17日の農業担当閣僚レベル会議に先立ち、アセアン10カ国による第28回農相会議と、これらの会議の事前調整となるSOMがアセアン単独で、また日中韓3カ国を加えた範囲で、それぞれ開催された。
第28回アセアン農相会議では家畜衛生信託基金の創設などを決定
11月16日に開催されたアセアン農相会議では、2004年11月のビエンチャン行動計画(VAP)および前回の第11回アセアンサミットの合意に基づき、(1)戦略的家畜疾病対策計画として、アセアン家畜衛生信託基金(AAHTF)の創設および国際獣疫事務局(OIE)と国連食料農業機関(FAO)との協力の下でのAI対策の実施、(2)農産物市場の拡大と食品安全対策の強化として、野菜果物の収穫前後の取扱い基準であるアセアンGAPの設定、マンゴー、パイナップル、ドリアンの処理包装基準の設定および残留農薬基準の統一、(3)森林保護のための協調活動、(4)国際機関との協調の推進−などが決定された。また、次回の第29回会議は2007年にタイで開催されることとなった。
AAHTFの内容
中でも、AAHTFをアセアン域内における調和と統一がとれた家畜衛生対策の実現を容易にするための基金として創設することとし、国際競争が激化する中で、アセアンとして自助努力を基本とした家畜衛生対策の活性化および計画化を進めるとしている。基金が支出対象とする家畜疾病は、口蹄疫、AI、豚コレラおよび土着性の疾病としている。
基金への拠出金は、アセアン各国の経済力および畜産業がそれぞれの国内経済に占める比重に応じて拠出することを原則とし、10万ドル、20万ドルおよび30万ドルの3段階としている。10万ドル拠出国は、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムのインドシナ半島諸国のほかブルネイとシンガポールとなり、20万ドル拠出国は該当国がなく、そのほかの国は30万ドルずつ拠出することとなっている。また、拠出は2007年までに開始されるものとし、基金の使用はガイドラインに従うほか、閉鎖についての決定権は農相会議にあるとしている。
なお、基金は8割の果実運用型と2割の取り崩し型とに分けて管理され、運用益により永続的な活用が図られる仕組みとなっている。また、国際援助機関からの補助などは果実運用型に繰り入れられることとなっている。
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