2006年後半以降増加が続く牛肉生産量


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 牛肉生産量、9カ月連続で前年同月を上回る ● ● ●

  豪州の牛肉生産量の増加傾向が続いている。豪州統計局(ABS)の公表によると、牛肉生産量(バッファーロ肉を含み、子牛肉は含まない)は、2006年7月以降9カ月連続で前年同月を上回っており、2007年3月は前年同月比0.6%増の20万3千トンとなった。2007年1〜3月の期間を見ると、前年同月比7.4%増の54万9千トンとかなりの程度増加している。
 
  同国の牛肉生産量が増加傾向にある背景としては、最大の輸出先である日本において、米国産牛肉の輸入条件などからその数量が伸びず引き続き日本への輸出増が続いていること、また、2006年中旬から続く最大級の干ばつが長引いたことにより、肉牛生産者が肉牛の出荷を急いだことが挙げられる。

  しかし、今年に入ると各地でまとまった降雨が記録され、2007年4〜6月の気象予測によると平年を上回る水準の降水量が予測されていることから、今後の出荷状況は徐々に改善に向かうものと考えられる。肉牛のと畜頭数や牛肉生産量は依然として前年同月を上回る状況が続いているものの、直近の3カ月で見るとその増加率は大幅に減少しつつある。



● ● ● ビクトリア州のと畜頭数の増加率が最も増加 ● ● ●

  今回の干ばつは、肉牛飼養が最も盛んな東部各州に大きな被害をもたらしたとされ、その中でも南部ほど降雨量が少なかったことから、特にビクトリア(VIC)州のと畜頭数の増加が最も大きくなっている。豪州家畜生産者事業団(MLA)によると、2007年1〜4月のと畜頭数は、前年同期比5.7%増の189万5千頭となったが、州別ではニューサウスウエールズ州(NSW)が同8.4増の57万6千頭、クイーンズランンド州(QLD)が同0.6%減の87万頭、VIC州が16.1%増の45万頭となっている。
 
 MLAは、2007年4月の全体のと畜頭数は2003年以降、また、VIC州のと畜頭数は1988年以降で最も大きいとしている。

牛と畜頭数の推移(1〜4月)
資料:MLA

● ● ● 2006年10月以降、枝肉重量の減少が続く ● ● ●

 干ばつによる早期出荷が行われていることで、枝肉重量も前年を下回って推移している。2006年の1頭当たりの枝肉重量は1月および4月を除いて前年同月を上回ったものの、10月以降は6カ月連続して下回っており、2007年1〜3月の平均値は前年同期比1.1%減の268キログラムとなっている。

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