● ● ● 2007年は前年比3.0%減の120万7千トン ● ● ●ドイツはEUの中ではフランスに次ぐ牛肉生産国(2006年:124万4千トン)で、牛肉輸出量(同:7万2千トン)は域内でも最大である。ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によると、2007年におけるドイツの牛肉生産量は前年比3.0%減の120万7千トンとなり、一昨年をわずかに上回った2006年より再び減少する見込みとなった。この要因としては、2003年の共通農業政策(CAP)改革による生産と切り離した生産者を単位とした直接支払い(デカップリング)への移行により、牛の飼養を中止する農家が増加し牛飼養頭数が減少しつつあることが挙げられる。なお、同国で飼養されている牛は、フランスやイギリスなどほかの主要生産国と異なり大部分が乳用種由来の牛であることから、昨今の脱脂粉乳をはじめとしたEUの乳製品への需要が高まる中で、牛の保留や増頭意欲が強まることも考えられ、牛肉生産量の減小に歯止めが掛かる可能性もあると思われる。
● ● ● 同国の牛肉輸出は引き続き減少する見込み ● ● ●同国の2007年の生体牛および牛肉の輸出入予測をみると、輸出に関しては生体牛が前年比3.1%減の6万3千トン、牛肉が同6.1%減の46万トンといずれも減少する見込みである。ZMPはこの理由として、イタリア、スペインおよびフランス向けの輸出は順調であるものの、近年大きな輸出市場として成長しているロシア市場において安価なブラジル産との競合を強いられることが大きな要因であるとしている。一方、輸入は生体牛が前年比9.5%増の2万3千トン、牛肉が同1.7%増の30万トンと消費量に大きな変化がない中、国内生産量の減少を補うため逆に増加すると予想されている。
● ● ● 域内で最も少ない1人当たり牛肉消費量 ● ● ● EUでは、2000年11月にBSE陽性牛が発見され、各国の一人当たりの牛肉消費量は2001年、一様に底を打った。その後は各国政府の各種対策が功を奏し、2002年以降は増加に転じたが、2003年以降はほとんどの国で横ばいの傾向が続いている。
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