2007年の牛肉生産量は、と畜頭数増で微増の見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年の子牛、経産牛のと畜頭数は高水準で推移 ● ● ●

  米国農務省(USDA)によると、2006年1〜4月のと畜頭数は、前年同期比3.1%増の1,078万2千頭とやや増加した。その内訳を見ると、乳用経産牛と肉用経産牛のと畜頭数が、それぞれ同19.8%増の91万5千頭、同14.1%増の101万9千頭と大幅に増加した。これは、春の牧草状態が十分でないことや、酪農協共同基金(Cooperative  Working Together:CWT)による乳牛とう汰プログラムが影響しているとされる。過去5年間の平均値と比較しても、2007年の乳用経産牛と肉用経産牛が高水準で推移していることがわかる。

 また、子牛のと畜頭数も同27.4%増の27万4千頭と大幅に増加した。USDAによると、2006年第4四半期にかけて放牧用の素牛の需要が低迷したことや、冬季の気象条件が悪かったことにより2006年の粗飼料生産量が前年比6.2%減となり在庫不足が続いていることなどが要因としている。

  USDAが公表している「Weekly Weather and Crop Bulletin」によると、2007年5月第1週目時点で、全米48州の牧草状態は前年とほぼ横ばいにあるもの、米国の中でも放牧地の多いカンザス、オクラホマ、テキサス州の3州における牧草地の状態は、昨年同時期に比べて優良、良の状態が大幅に増加するなど改善がみられる。

  このような状況を反映して、今後肉用経産牛および子牛のと畜頭数は減少することが見込まれているが、トウモロコシなどの飼料穀物の価格動向と併せて注視する必要がある。

1〜4月のと畜頭数の推移
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry and Outlook」


牧草地と穀物生育の状態
資料:USDA「Weekly Weather and Crop Bulletin」
注:各年5月の第1週目

● ● ● 2007年の1頭当たりの枝肉重量は前年を下回って推移 ● ● ●

   USDAによると、1頭当たりの枝肉重量は2007年以降一貫して前年同月を下回って推移している。2007年4月は前年比0.1%減の344キログラムとなったが、過去5年間の平均337キログロムは上回って推移している。

  この結果、2007年1〜4月の牛肉生産量はと畜頭数の増加を背景に前年同期比2.1%増の373万トンとなった。また、2007年全体でも前年比0.7%増と伸び幅は小さいものの1,194万1千トンが予測されている。 



1頭当たりの枝肉重量の推移
資料:USDA「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」



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