● ● ● 両国の生産増の背景は良好な生育環境 ● ● ●米国農務省(USDA)が4月に公表した油糧種子需給予測によると、ブラジルとアルゼンチンにおける2006/07年度(10〜9月)の大豆生産量は、生育環境が良好であったことを受け、記録的な生産が見込まれている。一方、中国の大豆生産量は、前年度を0.9%下回る1,620万トンとなり、減少傾向で推移していることから、輸入量は過去最高であった前年度をさらに9.5%上回る31.0百万トンが見込まれている。これは、世界貿易量の45.1%に達する。
● ● ● ブラジルの大豆生産は前年度を3.2%上回る ● ● ●ブラジルの2006/07年度における大豆生産量は、記録的であった前年度を3.2%上回る5,880万トンが見込まれている。生産量が増加した要因は、収穫面積が前年度を下回ったものの、主要生産州における生育期の環境が降雨量の多い良好な天候であったことから、単収が上がったことによる。主要生産州であるマットグロッソドスル州、パラナ州、リオグランデドスル州は、それぞれ、ブラジルの大豆生産量の約29%、18%、13%を占め、3州でブラジル全体の約6割を生産する。収穫期を迎え、マットグロッソドスル州の中・北部では2月中旬から長雨が続いており、収穫の遅れが懸念されていたが、ブラジル全体の3月末時点の収穫割合を見ると、昨年の同時期が49%であるのに対し59%であり、生産量への影響はないものとしている。 これを州別に見ると、マットグロッソドスル州は昨年の同時期が66%であるのに対し90%、パラナ州は同65%であるのに対し73%、同国の中でも一番遅くに収穫されるリオグランデドスル州は、同7%であるのに対し17%であった。
● ● ● アルゼンチンの大豆生産は前年度を12.3%上回る─単収は過去最 ● ● ●2006/07年度におけるアルゼンチンの大豆生産は、収穫面積が前年度を3.9%上回る1,580万ヘクタールとなった上、単収が、生育期の天候に恵まれたこともあり、1ヘクタール当たり2.88トンと過去最高となる見込みである。その結果、生産量は、前年度を12.3%上回る4,550万トンが見込まれている。その一方で、エントレリオス州、サンタフェ州、コルドバ州、ブエノスアイレス州では、3月の収穫期に入り豪雨と洪水から収穫に悪影響が生じている。これらの州の大豆生産地域では、約30万ヘクタールが打撃を受けており、大豆の品質と輸送への影響が懸念されている。アルゼンチン農牧漁業食糧庁によると、3月末時点の収穫割合は遅れ、昨年の同時期が18%であるのに対し11%であった。
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