● ● ● 2006年は前年比1.5%増の1億5,380万頭 ● ● ●欧州委員会がこのほど公表した2006年12月時点のEU25カ国(推計値)の豚飼養頭数は、前年比1.5%増の1億5,380万頭とわずかに増加し、3年連続で前年を上回った。EUでは、BSEの発生で牛肉需要が一時的に減退したことから、それを補う形で豚肉の需要が増加し豚肉価格が高騰した。その後、牛肉消費の回復に伴い、豚肉価格が低落したことから豚飼養頭数はいったん減少した。しかし、近年の本調査の結果はEUの豚飼養頭数が増加基調を強めていることを示している。 豚の飼養状況を分類別に見ると、妊娠豚が唯一、前年比1.5%減の179万頭と減少したものの、繁殖用雌豚が同0.7%増の1,497万頭、将来の豚生産の元となる未経産豚が同2.7%増の163万頭と増加していることから、当面は豚飼養頭数の増加基調が続くものと思われる。また、20キログラム以下の子豚が同0.7%増の4,253万頭、肥育豚などが同1.7%増の5,915万頭といずれも増加していることから、豚肉生産量も増加傾向で推移すると思われる。
● ● ● デンマークの飼養頭数、一転してかなりの程度増加 ● ● ●飼養頭数を国別に見ると、EUで最も養豚が盛んなドイツおよび域内第3位のフランスが、前年比1.4%減の2,660万頭、同0.8%減の1,501万頭とわずかに減少したものの、第2位のスペインが同4.6%増の2,603万頭と増加し、この減少分を補った。また、域内で豚肉および生体豚の最大の輸出国であるデンマークは、前年同期は6.0%減少したが、今年は逆に8.0%増の1,361万頭とかなりの程度増加してEUの生産量を押し上げる結果となっている。なお、前年までドイツとスペインの差は210万頭の開きがあったが、今回は57万頭に縮まった。ドイツは未経産豚を除くすべての種類が減少する一方、スペインは逆に未経産豚以外は増加しており、こうした傾向が続けば次回のセンサスでは首位が入れ変わる可能性もある。
● ● ● ルーマニア、域内で8番目の豚の飼養規模に ● ● ●2007年1月、EUに新規加盟したルーマニアは、前年比4.6%増の691万頭となり域内で8番目の豚の飼養規模を持つ国となった。欧州委員会は、同国の養豚業が成長しつつある背景として、加盟を見越した域内外からの投資が活発化していることを挙げている。なお、2004年以降、EUに加盟した12カ国のうち、ルーマニア以外では、域内第3位のポーランドの増加率がロシアによる豚肉の一時輸入停止の影響で前年から7ポイント減少し0.5%の増加にとどまったが、ハンガリーが同3.5%増の399万頭となるなど、新規加盟国における養豚業の拡大が続いている。
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