チリ、農林業センサスの調査を開始


今回で7回目の実施

 チリ統計院(INE)は3月12日、チリの農林業に関する基本的統計調査である「農林業センサス」の調査を開始した。このセンサスは、1930年に第1回調査が実施されて以降、1955年からは10年ごとに調査が行われ、今年が7回目となる。今回の調査は全国の約35万の農業および林業経営体を対象に、13州を64地域に分け、1,700人余りの調査員により3月12日から5月31日の間に実施される。なお、同調査は今年10月に速報が、また最終的な結果は来年4月に公表される予定となっている。


前回調査よりさらに詳細な項目が設定

 今回の調査は、(1)全国の農業および林業経営体についての詳細かつ確実な情報を更新し、農業活動に係る公的機関または民間企業による生産振興や輸出振興活動への基礎資料や分析・判断材料に資すること、(2)国連食糧農業機関(FAO)による「2010年世界農業センサス」に組み込まれること−を目的としている。

  調査内容は、前回調査を踏まえ、FAOの勧告と利用者の要望に基づき変更され、以下の17項目から構成されている。(1)経営体および生産者の態様、(2)農業および飼料生産、(3)改良草地、(4)野菜、(5)花き、(6)種子、(7)ブドウ栽培、(8)果樹、(9)林業、(10)かんがい、(11)土地利用、(12)家畜、(13)機械・装置、(14)施設・設備、(15)雇用、(16)2006/07年度における経営の特徴、(17)世帯に関する情報。

  前回の調査からの主な変更点としては、(12)の家畜では、2007年3月31日現在の畜種別、種類別、品種別の飼養頭羽数を記載することに加え、繁殖や飼料に関する情報、ラクダやアルパカなど新たな品種が追加となっていることが挙げられる。また、(17)の世帯に関する情報では、年齢、性別だけでなく学歴、経営体内外での経済活動についての項目なども含まれ、これにより経営体での女性の役割が明らかになるものとしている。


牛と豚の飼養頭数が飛躍的に増加

 今回の調査に当たり、INEはこれまでの調査結果の概要を公表しており、これによると、1955年から1997年の間に畜産部門のうち、最も飛躍的に飼養頭数が増加したのは牛と豚であり、それぞれ39.4%、59.1%増となっている。また、農林業経営体数は1976年の31万4,249から1997年は32万9,563と増加した一方、総面積は3,722万3千ヘクタールから3,663万8千ヘクタールに減少している。97年以降、チリにおける農林業の生産構造にどのような変化がみられるのか注目される。

全国の家畜使用頭数の推移


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