豪州の牛乳乳製品消費拡大活動、新たな取り組み


牛乳乳製品の消費は、楽しみを得られる手段

 豪州の酪農乳業団体であるデイリー・オーストラリア(DA)は、従来から実施している牛乳乳製品の消費拡大活動の新たな取り組みとして、2006年末から「Dairy. Good for Life」と名付けたキャンペーンを実施している。このキャンペーンは、1〜17歳の子供を持つ母親を主な対象に、乳製品が「生活(生命)に良い」食品であることをテーマとしている。過去5年にわたって実施してきた消費拡大活動「Dairy. Food for life」を引き継ぐものとしているが、今回は、新たな視点から牛乳乳製品の消費拡大を図っている。

  この年齢層の子供を持つ母親は、家庭内での食料品購入や食生活全般に主導的な立場であり、また、子供や自身の健康にも特に関心が強い層である。このため、牛乳乳製品が最も栄養価の高い自然食品で、また、10種の重要な栄養素を含んでいることを強調することで、生活に必要な食品という認識を高めるものである。具体的には、牛乳乳製品を摂取することで、エネルギーや活力が生まれ、骨格などの成長や栄養バランスが改善されるといった、消費者にとって牛乳乳製品を消費することで“楽しみ”を得られる手段ということに焦点を当てている。これは、従来の消費拡大活動の中心であった“必要性”を訴えるものから視点を変えている。


もう一つの視点で牛乳乳製品の理解を

 今回のキャンペーンについてDAは、牛乳乳製品が豪州の人々の健康面や成長に大きく寄与し、また、十分な量が消費されてきたとしながらも、実際、子供の58%と19歳以上の女性の68%が重要な栄養分であるカルシウム不足とされており、また、近年、牛乳乳製品消費に対する誤った理解から、牛乳を含まない食品の購入、料理方法の変化、牛乳以外の飲料摂取が拡大するなど、常に脅威にさらされてきたことを背景に挙げている。このため、消費者にとって牛乳乳製品は、望ましい食品であることを再認識してもらう必要があったとしている。

  キャンペーンは、テレビコマーシャルと雑誌への広告掲載の2通りの方法で進められ、コマーシャル版では、女性が成長していく過程(幼児から母親まで)の中で、牛乳乳製品が欠かせない存在であることを印象付けている。また、雑誌では、(1)牛乳乳製品が栄養面で優れ、エネルギーの補充に最適なものであること、(2)牛乳の脂肪分はわずか3.8%、ヨーグルトも3.4%しかなく、人々が考える以上に重要な多くの栄養分を含み、はるかに少ない脂肪分であること−などについて説明し、もう一つの視点から牛乳乳製品への理解を深めてもらいたいとしている。

  豪州の国民一人当たりの牛乳消費量は、消費拡大活動の成果などにより、2003/04年度以降、3年度連続して上昇している。

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