● ● ● 飼養頭数は2期連続して前年同期比割れ ● ● ●
豪州フィードロット協会(ALFA)は8月13日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査による四半期ごとの全国のフィードロット飼養頭数調査結果を公表した。これによると、2007年6月末の飼養頭数は87万頭となり前回調査(2007年3月末)との比較では0.4%減の小幅な動きにとどまったものの、前年同期比では7.5%減となった。規模別飼養頭数をみると、好調な牛肉輸出を要因にこれまで増加してきた1万頭超規模のフィードロッド飼養頭数は前年同期比8.5%減、また規模別飼養頭数割合をみても、1万頭超規模の構成割合は同0.7ポイント減少した。
フィードロット飼養頭数は、これまで堅調な豪州産牛肉需要を背景に増加傾向で推移してきたが、輸出環境の変化などから停滞局面となっていることがうかがえる。
● ● ● 東部主要生産州の飼養頭数は軒並み減少 ● ● ●
今回の調査結果を州別に見ると、飼養頭数が国内最大のクイーンズランド(QLD)州が前年同期比15.5%減の42万7千頭とかなり大きく減少したほか、ビクトリア(VIC)州は同3.7%減の6万1千頭とやや減少、ニューサウスウェールズ(NSW)州は同2.8%減の3万頭とわずかに減少し肉牛の主要生産地域である東部3州で前年同期比割れとなった。特に、減少幅の目立つQLD州では前年同期に比べ、7万9千頭もの減少となり、全体の飼養頭数を減少させる最大の要因となっている。
州別のフィードロット飼養頭数の推移
● ● ● 輸出環境の悪化で厳しい経営状況が続く ● ● ●
ALFAではこのようなフィードロッド飼養頭数の減少の要因として、以下の点を挙げている。(1)豪州国内での干ばつの影響および世界的な穀物燃料の需要を背景とした飼料価格の高騰、(2)主要輸出国通貨に対し、豪ドル高で推移する為替相場による輸出環境の悪化およびこれに伴う北アジア向け輸出量の減少、(3)韓国市場での米国産牛肉との競合およびこれに伴う豪州産牛肉の需要低下
このため、輸出向けを中心とするフィードロッド産業は厳しい経営状況が続いていると考えられる。
なお、2007年上半期の飼料用穀物価格は、小麦が前年同期に比べ45%の上昇、また、ソルガム、大麦もそれぞれ同52%、75%上昇しており、ALFAではフィードロッド業界にとって、この局面を打開するには、まず今年の冬穀物の収穫量が重要な要素になると見ている。
規模別飼養頭数(6月末)
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