フランスの牛飼養頭数は5年ぶりに前年を上回る


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年5月の牛飼養頭数は前年比0.5%増の1,936万頭 ● ● ●

 フランス農漁業省統計局(AGRESTE)によると、2007年5月センサスの牛飼養頭数は前年比0.5%増の1,935万8千頭と5年ぶりに前年を上回った。これをカテゴリー別に見ると、繁殖用経産牛(肉用向けなど)は415万頭と前年を1.7%上回ったが、乳用経産牛は共通農業政策(CAP)改革による生乳生産割当(クオーター)制度などの影響から同1.9%減の359万7千頭となった。同様に、乳用未経産牛頭数も同2.5%減の206万8千頭と他のカテゴリーの飼養頭数が増加している中で、乳用経産牛と同様に引き続き減少している。

 一方、繁殖用未経産牛の飼養頭数は前年を3.5%上回る200万5千頭、また、1歳以上の去勢牛の飼養頭数は同3.0%上回る162万4千頭と増加した。

フランスのカテゴリー別牛飼養頭数


● ● ● 2007年上半期の生体牛輸出頭数は前年同期比6.2%減少 ● ● ●

 2007年上半期のフランスの生体牛輸出頭数を見ると、全体の約8割を占めるイタリア向けが50万9千頭と前年同期と比べて10.9%減少した。イタリア向け輸出の5割以上を占める300キログラム以上の雄牛輸出頭数の減少が大きいとされており、これは、イタリア国内における牛肉の収益性の悪化が要因とされている。

 一方、輸出仕向先第2位であるスペイン向けは13万頭と前年同期を21.5%上回った。スペイン向けに輸出される牛は主に肥育素牛、子牛が中心であるが、スペイン国内で家畜疾病のブルータングが発生していることから素牛を海外からの輸入に求めている背景があるとされる。

 これらのことから、上半期全体の輸出頭数は67万4千頭と前年同期比で6.2%減少した。

 生体牛輸出頭数の減少を受けて、フランス国内での牛肉生産量は増加しているが、これは、5月の牛飼養頭数で1歳以上の去勢牛が増加していることにも反映されている。

 また、2007年上半期の生体牛輸入頭数は10万4千頭と前年同期を27.3%下回って推移した。

フランスの生体牛および牛肉の輸出量(1〜6月)


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