charset=x-sjis"> 畜産の情報−トピックス−2007年11月 月報海外編

牛肉輸出をめぐるメルコスルの動向


ブラジルは過去最高の輸出量を更新

 米国におけるBSE発生や豪州における干ばつなどにより、世界の牛肉貿易量が減少した中、メルコスルは、世界の牛肉貿易量の50%近くを占める主要な牛肉輸出地域となっている。中でもブラジルは最大の輸出国であり、これまでの主要輸出先であったロシアのほか、原油高により好景気にある中東や北アフリカなどの新規市場への輸出も伸びている。2007年1〜7月の輸出額は20億ドル(2,340億円:1ドル=117円)に達している。

ブラジルの牛肉輸出動向(2007年1〜7月)


アルゼンチンは輸出制限が増加を阻害

 アルゼンチンでは、2006年3月に国内供給を優先させるため、牛肉輸出が停止され、その後段階的に解除されてはいるが、この措置により、主要な市場へのブラジルの進出を許している。現在も輸出量は2005年同月実績の50%相当量に制限されており、この措置は本年12月31日まで継続することとなっているため、輸出増加の阻害要因となっている。業界関係者は政府に対し、規制の緩和を再び要求しているが、国民の主食である牛肉の価格上昇はインフレにつながることから、10月の大統領選挙などを控えた政治情勢の中では、この問題の解決は難しいとみられているところである。

アルゼンチンの牛肉輸出動向(2007年1〜7月)


ウルグアイはアルゼンチン、ブラジルの回復により減少

 一方、ウルグアイの2007年1〜7月の輸出は、これまでの増加傾向から減少に転じた。これはロシアおよびチリ向けの減少が要因であり、ロシアについては、前年同期の5万8千トンに対し2,800トン、チリについては、前年同期の3万トンに対し8,500トンとそれぞれ前年の輸出量の5%、28%と激減している。ロシア向けの減少要因は、口蹄疫の発生により停止していたブラジルからの輸出を再開したこと、チリ向けについても同様に、ブラジルからの輸出再開に加え、アルゼンチンからの輸出も再開したためとみられる。しかし、これらの減少は、NAFTA向けの大幅増によって相殺されている。中でも米国は、アルゼンチン、ブラジルなどの競合国が、衛生ステータスの問題からアクセスを困難としている中、全輸出量の56.4%を占めるウルグアイにとって最大の輸出先であり、輸出量は前年同期比26.5%増、輸出額は同28.9%増となっている。

ウルグアイの牛肉輸出動向(2007年1〜7月)


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