● ● ● 2007年上半期は前年比4.6%増の46万5千トン ● ● ●
豪州統計局(ABS)が公表した2007年上半期(1〜6月)の豪州の牛肉輸出量(バッファロー肉および子牛肉を含む。船積み重量ベース)は、前年同期比4.5%増の46万5千トンとやや増加した。
牛肉輸出量は2006年8月以降、2007年5月まで10カ月連続で前年同月を上回ったが、輸出が伸びている大きな要因としては、(1)主要輸出先である日本をはじめとしたアジア各国で、米国産牛肉の輸出再開が豪州産牛肉輸出に与えた影響が限定的であったこと、(2)2006年6月から顕在化した今回の干ばつの影響で、と畜頭数が大きく増加したことで輸出仕向け量が増加したこと−が挙げられる。
● ● ● 主要輸出先の中で、韓国が最も高い伸び率を示す ● ● ●
2007年上半期の輸出動向を国別にみると、最大の輸出先である日本向けは前年同期比1.3%減の19万3千トン、次いで米国向けが同5.1%増の15万5千トン、第3位の韓国向けは同11.8%増の6万7千トンとなった。主要国の中で日本向けは唯一、前年同期を下回ったが、これは、(1)円に対する豪ドル高の傾向がますます強まっていること、(2)輸入量はまだ少ないものの、米国産牛肉の輸入が再開されたこと−が主因と思われる。主要国の中で最も大きな伸びを示しているのが韓国で、グラスフェッド(牧草肥育)牛肉が同4.9%増の4万7千トンであるのに対し、グレインフェッド(穀物肥育)牛肉は同31.7%増の2万トンと大幅に伸びており、同国の高級牛肉し好が引き続き高まっていることが示された。
月別輸出量の推移(2007年上半期)
● ● ● 2006年6月の輸出量、11カ月ぶりに前年を下回る ● ● ●
直近の2007年6月の輸出量は、前年同月比8.7%減の7万6千トンと、11カ月ぶりに前年を下回った。
今年4〜5月以降、豪州の主な肉牛生産地域に適度の降雨があったことで、肉牛出荷が抑制されるとともに生体価格が上昇していることから、各パッカーは牛肉生産量を落とし始めたとも伝えられる。また、現地のオファー価格が高いことから、豪ドル高も相まって日本にとってますます買いにくい状況が続くものと予測されている。
牛肉輸出価格
|