2007年のブロイラー経営の収益性は改善


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 高値で推移する生産者生体販売価格 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2007年7月のブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、前年同月比21.1%高の1ポンド当たり81.3セント(キログラム当たり215円:1ドル=120円)となった(左図参照)。2007年の生産者生体販売価格は、生産量の減少から高水準で推移しており、2007年3月以降、5カ月連続で1ポンド当たり50セント(同132円)以上を維持している。

 また、2007年通年のブロイラー卸売価格も、前年比19.6〜22.7%高の1ポンド当たり77〜79セント(同204〜209円)が見込まれていることから、生産者生体価格も上昇基調で推移することが予測される。

生産者生体販売価格の推移


● ● ● ブロイラーの収益性も回復へ ● ● ●

 このようなブロイラーの生産者生体販売価格の値上がりを背景に、ブロイラー経営の収益性は回復に転じているとの見方が強い。最近のブロイラー経営の収益指数(98〜2000年=100)と飼料コストを見ると、2006年は、1年を通じて卸売価格が低迷したことから収益性は小さかったとされるが、2007年以降は、100を上回る上昇基調で推移している。しかし、収益性を上回る勢いで、エタノール生産増加の影響による飼料コストの値上がりが顕著であり、生産者にとっては大きな懸念材料になっているとされる。

収益と飼料コスト指数の推移
(1998-2000=100)


● ● ● 2008年のブロイラー生産量は増加の見込み ● ● ●

 USDAによると、2007年のブロイラー生産量はと鳥羽数の減少などで低迷するものの、2008年には前年比2.3%増の1,656万7千トンが予測されている。飼料価格の動向は楽観視できないものの、ブロイラーの経営がこのまま順調に続けば生産量も増加していくことが見込まれる。


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