● ● ● 2007/08年度の生乳生産量、前年度を2.1％下回る見込み ● ● ●

　豪州資源経済局（ABARE）はこのほど、四半期ごとに行っている農産物需給見通し（2006/07年度６月期：３年の短期予測）を公表した。それによると、2007/08年度（７〜６月）の生乳生産量は、前年度比2.1％減の935万キロリットルとやや減少する見込みである。

　2006/07年度の生乳生産は温暖な気候が好材料となり好調な滑り出しを見せたものの、2006年６月から顕在化した最大規模の干ばつの影響で、生乳生産量は豪州最大の生乳生産地であるビクトリア州北部をはじめ、ニューサウスウェールズ州のマレー川周辺のかんがい地域、クイーンズランド州南部などほかの主産地でも減少した。このため、同年度の生乳生産は同5.4％減の955万キロリットルと１千万キロリットルを割り込むと予測されている。

　2007/08年度は、2007年４月以降の地域的な降雨などで干ばつの影響は薄れるものの、マレー川流域のかんがい用水の不足傾向が続くことや、酪農家が飼料コストを抑えるため搾乳牛頭数を減少させたことなどから、２年連続で生乳生産の減少が続くとされる。なお、2007/08年度の搾乳牛頭数も、前年度比1.1％減の178万頭となると予想されている。

● ● ● 生乳生産者販売価格は大幅に上昇の予測 ● ● ●

　2007/08年度の生乳生産者販売価格は、世界的な粉乳類やチーズを中心とした乳製品の高騰や、国内の乳業メーカーが生乳の確保を急ぐとみられることから、前年度比18.1％高の38.5セント（約40.4円：１豪ドル＝105円）と、大幅に上昇すると予測されている。

生乳生産量および生乳生産者販売価格の推移

● ● ● 2007/08年度以降の乳製品輸出額は増加見込み ● ● ●

　2006/07年度の乳製品の輸出額は、生乳生産の落ち込みによる輸出量の減少から前年度比12.2％減の22億６千万豪ドル（2,373億円）とかなり大きく減少する見込みである。これに対し、2007/08年度の輸出額は、主要乳製品の国際価格が高騰していることから、同8.5％増の24億５千万豪ドル（2,573億円）と前年度とは逆にかなりの程度増加すると見込まれている。ABAREは、2007/08年度のバターおよび脱脂粉乳の１トン当たりの国際価格は、それぞれ同28.6％高の2,575米ドル（31万４千円：１米ドル＝122円）、同60.4％高の5,100米ドル（62万２千円）と大幅に上昇すると予想している。