豚肉生産、2007年も増加の見込み(フィリピン)


豚肉生産は引き続き増加の見込み

 フィリピン農務省(DA)は5月24日、2007年の豚肉生産量が、前年比3.5%増の190万5千トンに達する見込みだと発表した。フィリピンにおける豚肉生産量は、2006年に約184万トンと前年比3.9%の増加を示し、2007年第1四半期(1〜3月)も前年同期比2.6%増の約46万2千トンに達している(海外駐在員情報通巻第755号、769号参照)。

 DAは、豚肉生産量1トンが農業生産額にして68,750ペソ(約17万8千円:1ペソ=2.6円)に相当するとしており、これは2006年の総農業生産額に一番大きな割合を占める米(もみ米)の同1万ペソ(約2万6千円)を上回り、農業部門の中で最も高い数値であるとしている。

 なお、養豚産業の2006年の生産額は、1,265億4千4百万ペソ(前年比0.4%減、3,290億1千4百万円)に達し、総農業生産額に占める割合は、米(もみ米)の18.3%に次ぐ14.3%であった。


成長の要因は輸出の増加

 DAは、この豚肉生産量の増加を、シンガポールや米国、メキシコ、ロシア、日本およびほかのアジア諸国などへの輸出の伸びに伴うものと見込んでいる。

 ヤップ農務長官は、フィリピンが口蹄疫の清浄国として国際獣疫事務局(OIE)に認定されれば、冷凍肉を除く、ランチョンミート、スパムなどといった豚肉加工品が、他国の市場にもっと浸透するだろうと語った。

 5月29日現在、OIEにより、ミンダナオ地域、ビサヤ地域、パラワン島、マスバテ島がワクチン非接種口蹄疫清浄地域と認定されており、残るルソン地域の清浄化が課題となっている(海外駐在員情報通巻第760号参照)。DAによれば、残る地域についても、引き続き口蹄疫の発生がなければ、来年1月までにOIEに清浄地域の認定の申請をし、来年5月のOIE総会の審議による清浄地域の認定を待ちたいとしている。

 また、ヤップ長官は、シンガポールへの輸出条件の締結交渉が進行中であることに言及した。さらに、世界最大の食肉輸入国である日本を、豚肉加工品などの付加価値製品の主要な輸出先市場として注目していると述べた。

 DAは、シンガポールや日本以外にも、食肉輸出業者の米国やロシア、メキシコ、香港、韓国、台湾、EUといった有望な市場への進出を支援するとしている。


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