2007年の生体牛輸出頭数はインドネシア向けが大幅増加


◇絵でみる需給動向◇


2007年生体牛輸出頭数は前年比13.8%増の72万3千頭

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)による最新の生体牛輸出調査によると、2007年の豪州の生体牛輸出頭数は、前年比13.8%増の72万3千頭とかなりの程度増加した。豪州の生体牛輸出は、2002年に史上最高となる97万2千頭を記録したが、その後の豪ドル高の進展や原油高による輸送コストの上昇、また、他の牛肉輸出国との競合の激化などで2003年以降は連続して減少していた。しかし、東南アジアなどにおける需要の伸びなどから2006年に入り再び増加に転じ、2年連続で前年を上回っている。2007年の輸出額は5億1600万豪ドル(521億円:1豪ドル=101円)となり、1頭当たり平均輸出価格は716豪ドル(7万2千円)と1990年以降では2004年に次ぐ高い水準となった。

生体牛輸出頭数の推移


インドネシア向けが大幅に増加

 2007年の輸出頭数を主要な仕向け先別に見ると、最大の輸出先であるインドネシア向けは、前年比34.7%増の52万1千頭と大幅に増加し、総輸出頭数に占める割合は72.0%に達した。この要因としてMLAは、経済成長により牛肉需要が大幅に伸びていることを背景に同国におけるフィードロットの飼養規模が拡大していることから、豪州産肥育素牛の需要が高まっていることを挙げている。一方、インドネシアに次ぐ仕向け先であるイスラエル向けは、同53.6%減の3万7千頭、また、第三位のマレーシア向けも同38.0%減の3万5千頭とそれぞれ大幅に減少した。

2008年は前年比5.1%増の予測、中期的にも拡大の見込み

 2008年の輸出頭数についてMLAでは、引き続き輸出需要が高く、また、主要生体牛供給地である豪州北部地域の肉牛供給能力が改善していることから、前年比5.1%増の76万頭と予測している。MLAでは、主要通貨に対する豪ドル高および北部地域の干ばつ緩和に伴う牛群再構築による出荷頭数減の影響を考慮すると、2006年、2007年に記録した前年比10%を超える増加に比べ上昇幅が減少するものの、東南アジア、中東、北アフリカ諸国における人口および個人所得の増加に牛肉の供給が追い付いていないことなどから、輸出頭数は2007年の実績を上回ると見ている。

 また、最大の輸出先であるインドネシアほか主要輸入国からの豪州産肥育素牛の需要は今後も高まると見ており、輸出頭数の増加傾向は中期的に継続し、2012年には85万頭に達すると予測している。

主要輸出国別生体牛輸出頭数の推移


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