2007年ブロイラー生産額は前年比23.3%増


◇絵でみる需給動向◇


卸売価格は年間を通して前年同月を上回って推移

 米国農務省(USDA)によると、2007年のブロイラー卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、第一四半期の生産量の減少(前年同期比3.5%減)により価格が上昇した後も、輸出量の増加(2007年は前年比10.9%増の261万8千トン)などにより、年間を通して前年同月を大きく上回って推移した。特に5月から7月にかけては1ポンド当たり80セント(キログラム当たり187円:1ドル=106円)台で推移し、2007年通年の平均卸売価格は前年比18.6%高の同76.4セント(同179円)となった。

 これに伴いブロイラー生産者販売価格も高値で推移し、3月から8月まで6カ月連続で同50セント(同117円)台を記録し、2007年通年では前年(同38.6セント、90円)比23.8%高、過去5年間の平均価格(同38.4セント、90円)比24.5%高の同47.8セント(同112円)となっている。


好調な価格を背景に、生産量は増加

 好調な卸売価格、生産者販売価格を背景に、ブロイラーひなふ化羽数は2007年4月以降10カ月連続で前年同月を上回って推移しており、2008年1月は前年同月比3.2%増の8億2,257万羽となっている。その結果、2007年の後半にかけて生産量は増加し、第4四半期の生産量は前年同期比5.5%増の421万トン、通年では前年比1.8%増の1,639万トンと見込まれている。

ブロイラー生産量と卸売価格の推移


ブロイラー生産額は前年比23.3%増

 卸売価格が高値で推移したことに加え、生産量も増加したことにより、2007年のブロイラー生産額は前年比23.3%増の232億ドル(2兆4,592億円:1ドル=106円)になると見込まれている。ブロイラー経営の収益指数(1998-2000年=100)は高水準で推移しており、2月のブロイラー卸売価格も前年同月比3.4%高の1ポンド当たり78.5セント(同183円)となった。USDAによると、生産量の増加の価格への影響はまだ見られないとしている。一方、飼料コスト指数も増大しており、2008年にかけて、生産コスト、特に飼料、燃料コストの上昇が、ブロイラー経営の収益性を低下させるものと見込んでいる。

 なお、米国ブロイラー業者最大手のピルグリムス・プライド社および業界第2位のタイソン・フーズ社は、2008年第一四半期(2007年10-12月期)決算で、飼料コストの上昇を理由に、前年同期を大幅に上回る赤字、および減益となることを発表しており、ともに卸売価格の値上げの必要性について言及している。

収益と飼料コスト指数の推移(1998-2000=100)


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