牛肉に関する新たな措置を決定(アルゼンチン)


牛肉の輸出制限期間を延長

 経済生産省は12月31日、牛肉の輸出制限の期限を2008年3月31日まで延長することを定めた決議第24/2007号(12月27日付け)を官報に公布した。決議によると、今年3月まで認められる輸出量は、少なくとも月間4万トン(枝肉重量ベース)となっている。各月の生鮮・冷蔵および冷凍牛肉の輸出量は、2005年同月実績の50%相当量であり、同期間における輸出業者ごとの輸出量は2005年の実績割合により配分される。

 なお、アルゼンチン国家動植物衛生機構(SENASA)によると、2007年の牛肉輸出量は前年比1.4%増の47万4,854トン、輸出額は同10.2%増の14億4,960万ドル(156億5,568万円:1ドル=108円)となった。

2007年の牛肉輸出


と畜重量の段階的引き上げを決定

 一方、農牧漁業食糧庁(SAGPyA)は1月3日、決議第68/2007号(12月28日付け)により、若齢去勢牛および未経産牛の半丸の最低重量を85キログラムに維持するとともに、ほ乳子牛および子牛の今年3月31日以降の最低重量の段階的引き上げを決定した。

 と畜重量の下限は2005年8月に設定、11月以降実施されてきたが、2006年春の干ばつや2007年夏の水害や冬の霜害により、飼料供給に影響を与え、その結果、必ずしも良好な仕上げ状態ではなくとも最低重量に達した家畜をと畜に回さざるを得ず、したがって期待される歩留まりを下回ることも今回の改正の要因に挙げている。

 同決議では、旧食肉審議会決議第J-379/1973号において規定されている若齢去勢牛および未経産牛の各格付け別重量基準の半丸枝肉当たり7キログラムの増加を維持するとしている。他方、2008年3月31日まで、骨付き半丸重量が132キログラム未満(生体重量240キログラム)、2008年4月1日から同年12月31日まで、143キログラム未満(同260キログラム)、2009年1月1日以降、154キログラム未満(同280キログラム)のほ乳子牛および子牛のと畜に対し、罰則が適用される。ただし、牛群を構成すると体の10%までが各期間について規定される最低と畜重量以下である場合は違反とは見なされないとしている。さらに同規定の順守が困難であるとされた「南パタゴニア地域」にあると畜施設で実施されると畜についても例外とすると定められている。また、酪農施設において生産される骨付きと体重量が50キログラム未満の乳用雄子牛についても対象外となっている。

 今回の一連の措置に対する政府の狙いは、牛肉供給量の増加により国内価格を引き下げることにあると見られる。関係者からの聞き取りによると、生体重量260キログラムまでの肥育はこれまでの放牧肥育を中心とした飼養管理で十分に対応可能であるが、280キログラムまで仕上げるには、肥育後期に穀物肥育を行うことが不可欠になるのではとの見通しであった。


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