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【シドニー駐在員 藤島 博康 4月21日発】このほど、豪州フィードロット協 会(ALFA)は四半期ごとのフィードロット飼養動向調査を公表した。これによ ると、99年3月31日時点での飼養頭数は97年から続く増加傾向を維持し、5 5万703頭と調査実施以来、過去最高を記録した。 3月31日時点のフィードロット飼養頭数は、前年同期よりも3%、前回98年 12月期より9%増加した。ALFAでは、全体の約6割を占める輸出向け、残り の国内向けともに好調な需要を背景に、飼養頭数は増加傾向にあるとしている。
(単位:頭)
12月末 | 3月末 | 6月末予測 | |
NSW州 VIC SA QLD WA |
188,512 20,926 25,893 250,574 19,550 |
193,069 36,821 40,314 254,170 26,329 |
193,458 41,671 43,419 280,289 23,981 |
合計 | 505,455 | 550,703 | 582,818 |
日本向け 韓国向け 他輸出 国内向け |
318,232 5,801 14,109 176,310 |
301,083 5,343 10,699 211,864 |
333,870 6,837 3,354 236,057 |
州別に見ると、秋口に入り放牧シーズンも終盤となったことを反映し、ビクトリ ア(VIC)州では前回12月期よりも76%、サウスオーストラリア(SA)州 では同56%、ウェスタンオーストラリア(WA)州では同35%と、それぞれ大 幅に増加した。全体の4割以上を占めるクインズランド(QLD)州は、前回12 月期よりも1%増、3割以上を占めるニューサウスウェールズ(NSW)州では同 2%増と比較的低い伸びにとどまったが、すべての州で前回調査時点よりも増加し た。 前年同期との比較では、雨不足から昨年この時期のフィードロット導入水準が高 かった東南部のNSW州とVIC州で、それぞれ11%、27%と減少したのを除 き、他州では10%以上の高い伸びを示した。 今季の夏場は降雨に恵まれたことから、飼料用穀物は低価格で推移しており、フ ィードロットへの素牛導入を後押ししている。一方で、放牧地のコンディションも 良く、折からの肉牛価格の回復も重なり、草地での放牧肥育も増頭傾向にあること から、肉牛価格は、肥育用の若齢牛を中心に値上がり傾向にある。なお、今年に入 ってから、北米向け輸出の本格的な回復や、生体牛輸出頭数がアジアの経済危機前 の水準に回復しつつあるなど、需給は一気に引き締まる方向にあり、経産牛価格を 含めた全体の肉牛市況は前年同期の価格水準よりも2〜4割上回って推移している。 素牛価格は上昇基調にあるものの、今後も十分な降雨が予想され大麦など冬作の 作付面積は拡大していると報告されていることなどから、ALFAでは、飼料の安 値と日本からの需要増を背景に、次回6月期調査では今回3月時点よりも6%の増 加と予想している。
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