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【ワシントン駐在員 樋口 英俊 4月13日発】全国肉牛生産者・牛肉協会(N CBA)は先ごろ、25歳から54歳の「母親」に焦点を絞った消費拡大テレビ・ キャンペーンを実施すると発表した。4月下旬から放映が予定されているテレビコ マーシャルでは、「牛肉を夕食に」というテーマとともに、健康上重要な栄養素であ る鉄分、亜鉛、たんぱく質およびビタミンBの摂取に果たす牛肉の役割に関する情報 を伝えるものとなっている。 このコマーシャルは、9月末までの実施が予定されており、その間に5千6百万 人のターゲットの女性に平均15回視聴されるものと見込まれている。 また、これに先行して1月から行われている雑誌広告については、家庭、グルメ、 健康雑誌など計36誌に延べ82回記事を掲載することで、ターゲットの女性はこ れらを平均8.6回、目にするものと期待されている。「母親」をターゲットにし た理由についてNCBAの担当者は、「母親」が家族の食事を担っていることを挙 げており、今回の広告によって「母親」は、牛肉がおいしさと栄養を同時に家族へ 与えられる食材であることを確信するだろうとしている。 一方、豚肉の生産者団体である全国豚肉生産者協議会(NPPC)も先ごろ、新 たな消費拡大キャンペーンに着手することを明らかにしている。NPPCの担当者 によれば、これは豚肉の脂肪の少なさを強調して86年から実施された「豚肉:も う1つのホワイト・ミート」キャンペーン以来の大規模なもので、消費者の豚肉に 関する食材選択の考え方を変えて行くものとしている。 NPPCの調査によれば、消費者は日ごろ食べているものに飽きており、昨日食 べたものでさえ覚えていない例が多いという。こうした調査結果を踏まえてNPP Cは、記憶に残る豚肉レシピをユーモアを交えて提示することで、豚肉が究極の献 立食材であることを家庭雑誌やテレビ広告を通じて強調していくとしている。 また、豚肉を使用したさまざまな献立のアイデア、調理上のアドバイスなどの情 報が得られるホームページをインターネット上に設置するほか、米国の有名シェフ がホストを務める料理番組のスポンサーになることを計画している。 米農務省(USDA)によれば、99年の1人当たり牛肉および豚肉の消費量(小 売重量)は、それぞれ31.4kgおよび24.6kgで、98年に引き続き前年 を上回った(それぞれ1.8%および3.0%増)。この要因として、好景気によ り外食などでの需要が好調であることなどが指摘されているが、今回の両団体のキ ャンペーンは、現状の好調さをより確実なものにしたいとの意向が働いているもの と思われる。 なお、両団体の消費拡大活動は、いずれも生産者が負担するチェックオフ資金を 原資として行われる。
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