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EU農相理事会、牛肉表示内容の検討を開始



【ブラッセル駐在員 島森 宏夫 2月3日発】EU農相理事会は、1月24日、
牛肉の由来等に関する表示問題、食品安全白書等について、以下の通り議論を行っ
た。

(牛肉の表示) 
 EUにおける牛肉の由来等に関する表示規則は、97年に制定(理事会規則82
0/97/EC)された。同規則では、導入時には任意表示で、2000年1月か
ら表示が義務付けられる予定であったが、各国の準備の遅れなどを背景に9月まで
延期されることとなった。実際の表示義務化は、新たな規則の承認1ヵ月後の予定
である。

 EU農相理事会では、99年10月13日のEU委員会提案を受け、その実施に
向けた具体的な検討を開始した。同提案では、表示内容を2段階で実施することと
しており、今回は、当初から実施すべき第1段階での表示内容および第2段階の原
産地表示方法について検討された。なお、本件は農相理事会とEU議会で共同審議
の上、決定されることとなっている。

○表示内容について
  必須の表示内容としては、牛またはその牛群を特定できる番号(コード)および
と畜場の承認番号が全会一致で支持された。また、大勢が牛肉加工施設の承認工場
番号の表示を支持した。牛カテゴリー、と畜日、熟成期間の情報については、必要
性についての賛否が分かれた。

○牛および牛肉の由来表示について
  各国は、牛の由来については、2003年以降の出生地、飼育・肥育地、そして
特定の場合には食肉加工地の表示受け入れが可能とした。また、骨を除去した場所
の表示は不必要との意見が大勢だった。

 原産国表示方法は、2通りの場合が検討された。まず、牛の出生地、飼育地、と
畜地が同一国の場合は、オランダ、アイルランド、イギリスを除く大勢が個別国名
の入った「○○国産」の表示を要望した。一方、牛の出生地、飼育地、と畜地が複
数の各国にまたがる場合については、デンマーク、フランス、スウェーデン、フィ
ンランド、ドイツが、関与国すべての名前を表示すべきとした。その他の国は、一
般的な表現である「EC産」表示を支持した。

(食品安全白書)
 1月12日に公表された食品の安全性に関する白書については、総合的な食品安
全対策、欧州食品安全機構の創設等に大きな期待が寄せられた。フィンランドから
は食品安全機構の同国への設置要望が表明された。

 なお、農相理事会では、6月19〜20日のポルトガルでの首脳会議に本白書に
対する意見を提出する予定である。

(EU域内貿易における豚のデータベース作成)
 豚の疾病問題に関するデータベース作成作業について、次の通り今後の予定を採
択した。

・2000年末までの豚飼育農家登録

・2001年末までの豚の出生農家からの移動データベース完成

・2002年末までの全データベース完成
 デンマーク、ノルウェー、オーストリアは反対、ギリシャは態度を留保した。


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