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【シンガポール駐在員 外山 高士 2月3日発】フィリピン農業省は、98年に エル・ニーニョなどの異常気象の影響で、前年比7.2%減となっていた農業生産 額が、99年には9.6%増と高い伸びを示すという予測を公表した。 アンガラ農務長官によると、99年の農業生産額は5,572億ペソ(1ペソ= 約2.8円)と予測されており、97年をやや下回るものの、98年の5,086 億ペソを9.6%も上回るとしている。その要因として、好天候に恵まれたことや、 耕作面積の拡大、改良品種の導入、かんがいや農道などの基盤整備により、コメや トウモロコシなどの穀物の生産量が1割以上増加することが見込まれ、金額におい ても、前年比13%程度の増加が予測されていることを挙げている。 最も大きな増加が予測されているのは、生産額が前年比33.8%増と見込まれ るコメで、生産量が、98年の855万トンから38%増の1,178万トンとな っており、これまでの最高収量であった96年の1,128万トンをも上回るもの と予測されている。また、トウモロコシにおいては、98年のエル・ニーニョの影 響と言われている干ばつから、一転してラ・ニーニャによる雨の多い天候が幸いし て、98年の382万3千トンから、19.9%増の458万4千トンと大幅な増 加が予測されており、金額でも10.5%増となっている。 畜産では、酪農、肉牛、水牛、養豚など各部門の生産が好調であったことから、 98年の864億ペソから、8.9%増の941億ペソと予測されている。一方、 養鶏については、免税店を経由して輸入された安価な鶏肉が大量に市場に出回った ことと、97年の供給過剰による価格暴落により、引き続き鶏肉の生産意欲が減退 していることから、生産量がほぼ前年並みと予測されている。全体の生産額でも、 鶏肉生産者の一部が鶏卵生産に移行したことや、カモ肉およびカモ卵が堅調に推移 したこともあり、前年比0.8%増と、前年水準を維持するものとみられている。 一方、メダリヤ国家経済開発長官は、99年の国内総生産(GDP)の成長率は、 98年の0.5%を大きく上回る3.2%になるとしている。その要因として、第 4四半期に大きく成長したサービス業と、過去最高の伸びを示した農業の貢献を挙 げており、もし農業の伸びがなければ、2.4〜2.8%の伸びにとどまっていた であろうと述べている。また、2000年についても、農業が異常気象などの影響 を受けることなく、4%程度の伸びを確保すれば、GDP成長率も、3〜4%を確 保できると述べており、引き続き農業、特に伸び率の大きい畜産業の回復が期待さ れている。
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