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ウルグアイ、99年の日本向け牛肉輸出増大



【ブエノスアイレス駐在員 浅木 仁志 2月17日発】ブラジル、アルゼンチン
に次ぐ南米第3位の牛肉輸出国であるウルグアイは、既に口蹄疫の清浄化を果たし
ており、98年からわが国へも牛肉輸出を開始した。同国の99年の牛と畜頭数お
よび牛肉輸出量は、次の通りである。

(と畜動向)
 99年のと畜頭数は175万頭で、98年の183万頭に比べ約4%減少した。
減少の内訳は、雌牛が4万6千頭、去勢牛が3万頭などである。雌牛のと畜頭数の
減少は、家畜保留の傾向を裏付けるもので、実際ここ数年飼養頭数に占める母牛の
割合は97年の33%から99年の34%に増加し、将来の飼養頭数の増加を予測
させる。

 99年のと畜頭数は前年に比べ減少したが、99年9〜12月の雌牛のと畜頭数
は28万7千頭、去勢牛は36万5千頭、前年同期比でそれぞれ22%、15%増
加した。これは99年9月以降の干ばつで牧草が不足し、放牧できない牛をと畜に
回したからである。

(輸出動向)
 99年の牛肉輸出量は出荷重量ベースで15万7千トン、前年比で11%減少し
た。また、輸出金額(FOB価格)は3億4千万ドル(374億円:1ドル=11
0円)と前年比で17%減少した。

 輸出先、輸出量については、98年に比べ顕著な違いが見られる(表参照)。冷
蔵肉市場のメルコスル(南米南部共同市場)から冷凍肉市場の北米自由貿易協定
(NAFTA)地域へのシフトである。理由としては、@米国の牛肉価格が持ち直
し、利益の見込める市場になったこと、Aブラジルをはじめ南米各国の牛肉価格が
下落し、ウルグアイに対し価格競争力を持ったこと(メルコスルでは品質より価格
が重視される)、B韓国、日本と並び輸出国の衛生条件の厳しいメキシコは、口蹄
疫清浄国のウルグアイが優遇される市場であることなどである。なお、ウルグアイ
はメキシコと牛肉関税削減(27%から13%へ)の交渉中。

 日本への輸出が増えたのは、2万トンの米国枠を消化したウルグアイが、価格面
で日本の業者に歩み寄ったと言う話も聞く。ウルグアイ産の冷凍牛肉は日本のファ
ミリーレストランや牛肉弁当などの需要があり、味は良いという評判らしい。 

              ウルグアイ産牛肉の輸出先と輸出量の推移
                                                            (単位:出荷重量;トン、輸出金額;千ドル)

地 域

輸出相手国

1997年

1998年

1999年

(参考)1999年の輸出金額

NAFTA

米国

20,656

16,210

22,654

47,823

カナダ

8,350

1,538

17,147

26,442

メキシコ

49

202

8,006

13,882

南米市場

ブラジル

59,891

42,221

18,031

27,942

アルゼンチン

8,026

25,786

9,732

14,569

チリ

9,726

16,970

8,332

14,845

小計

       

EU

ドイツ

4,905

5,866

5,577

 

イギリス

18,387

12,191

9,984

EU全体で92,569

アジアその他

日本

0

308

2,915

7,381

イスラエル

28,956

29,578

29,132

60,619

合 計

 

184,118

176,526

157,433

342,292

 

 




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