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豪州フィードロット頭数、横ばいで推移



【シドニー駐在員 藤島 博康 2月15日発】このほど、豪州フィードロット協
会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)による四半期ごとのフィー
ドロット飼養頭数調査が公表された。これによると、99年12月31日時点の飼
養頭数は、日本市場での需要が一巡したことなどから、前回9月末時点より減少し
たが、前年同期比では2.5%増と、引き続き50万頭台を維持した。

                 (単位:頭)

12月末

前年同期  9月末

NSW州

185,596

188,512

201,345

VIC

25,232

20,926

20,128

QLD

253,699

250,574

281,228

SA

30,863

25,893

34,514

WA

22,754

19,550

16,138

合計

518,144

505,455

553,353

日本向け

321,357

301,083

348,857

韓国向け

13,942

5,801

10,411

他輸出

3,449

14,109

4,537

国内向け

175,394

176,310

187,602

 ALFAのハート会長によると、例年、この時期は出荷仕向け先として6割を占
める日本市場の年末年始需要が一巡した後に当たるため、前回9月末時点より減少
したことは予想の範囲内としている。加えて、供給の減少により、かなりの高水準
にある素牛価格は、フィードロットへの導入に抑制的に働いたとしている。

 州別に見ると、ニューサウスウェールズ(NSW)州のみが、1.5%と小幅な
がらも、唯一、前年同期より減少した。全飼養頭数の約5割を占めるクインズラン
ド(QLD)州では1.2%の増加。

 サウスオーストラリア(SA)州では19.2%、ビクトリア(VIC)州では
20.6%、ウェスタンオーストラリア(WA)州では16.4%と、それぞれ2
ケタ台の上昇となった。これは、南部一帯での収穫された穀物のうち、飼料用とな
る低級品の割合がQLD州やNSW州に比べて高く、南部地域の飼料価格が相対的
に安かったことが一因とみられている。

 出荷仕向け別では、6割を占める日本向けが前年同期よりも6.7%の増加。韓
国向けは、前年同期よりも140.3%増と大幅に増加し、前回99年9月期から
の拡大傾向を維持した。

 一方、国内向けは前年同期よりも0.5%減少した。しかしながら、年間平均で
みると、国内向けは96年から順調に拡大している。全飼養頭数の約3分の1は常
時、国内向けが占めるなど、以前に比べ、安定的に推移している。

 ALFAのハート会長は、今後について日本の牛肉消費に大きな変化はないもの
の、米国産の輸出価格が高く、豪州国内の飼料穀物価格が安値傾向と予想されるこ
とから、日本市場での豪州産穀物牛肉のシェアは増加するとしている。

 また、韓国向けは、経済の回復に伴い牛肉消費は拡大傾向にあることに加え、今
後、牛肉市場の自由化もあり、「2000年のフィードロット業界は明るい見通し
だ」と語っている。


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