ALIC/WEEKLY


ウルグアイの牛肉輸出が大幅増加



【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 6月28日発】ウルグアイ国立食肉院
(INAC)が発表した統計によると、同国の2000年1〜5月の牛と畜頭数および
牛肉輸出量は、それぞれ前年同期を大幅に上回って推移した。

 99年の牛と畜頭数は、家畜の保留傾向により前年比4.4%減の175万頭となったが、
同年9月〜12月に限れば、干ばつにより牧草が不足し、放牧できない牛をと畜に回
したことなどから、と畜頭数が前年同期に比べ増加していた。

 と畜頭数の増加傾向は今年に入っても継続し、2000年1〜5月では、前年同期比
19%増の83万4千頭となった。と畜の割合は、雌牛が43%の35万6千頭、去勢牛が
53%の43万9千頭であった。

 2000年1〜5月の牛肉輸出量(冷凍・冷蔵肉および加工肉。以下同じ)は、前年
同期比40%増の13万2千トン(枝肉ベース。以下同じ)と大幅に増加し、輸出額
(FOBベース)は、28%増の約1億7千7百万ドル(約187億6千万円:1ドル
=106円)となったが、1トン当たりの平均輸出価格は、8.5%安の1,339ドル(約
14万2千円)となった。

 なお、99年の牛肉輸出は、ブラジルの通貨切り下げによる影響などで、冷蔵肉主
体のメルコスル(南米南部共同市場)およびチリ向けが前年比57%減の4万5千ト
ンと大幅に減少したが、冷凍肉主体の北米自由貿易協定(NAFTA)地域向けが
約2.5倍の7万7千トンとなったことから、輸出量全体では24万4千トンと5.2%の
減少にとどまった。

 2000年1〜5月の牛肉輸出先の推移を見ると、NAFTA地域向けが引き続き好
調で、数量では、前年同月比でほぼ倍増の5万1百トン、シェアでは、11.3ポイン
ト上昇し38.0%となった。国別では、米国向けの増加に続き、カナダ向けが前年同
月比約2.5倍の1万7千8百トン、メキシコ向けが約5.2倍の1万3千6百トンとな
った。

 また、日本向けは6千2百トンと、既に99年の年間牛肉輸出量4千7百トンを上
回っている。アルジェリア向けも前年同月比約3.4倍の3千9百トンと大幅増とな
った。韓国向けにも2千9百トンを輸出するなど、ウルグアイ産冷凍牛肉市場の広
がりが目立つ。

 一方、メルコスル向けは、前年同期比で増加したもののシェアは減少している。
また、EU向けやチリ向けは、輸出がNAFTA地域へシフトしたことなどから、
それぞれ、前年同期比23%減の1万7千トン、45%減の3千トンとなった。

ウルグアイ産牛肉の輸出先の推移(1〜5月) 
                 (単位:トン、%)

輸出先

1999年

2000年

輸出量

シェア

輸出量

シェア

NAFTA

25,201

26.7

50,128

38.0

米国

15,416

16.4

18,777

14.2

カナダ

7,193

7.6

17,762

13.5

メキシコ

2,591

2.7

13,589

10.3

メルコスル・チリ

18,580

19.7

19,704

14.9

ブラジル

9,341

9.9

11,371

8.6

アルゼンチン

3,805

4.0

5,205

3.9

チリ

5,434

5.8

3,008

2.3

EU

22,048

23.4

16,958

12.9

アジアその他

28,454

30.2

45,088

34.2

イスラエル

19,884

21.1

22,102

16.8

日本

140

0.1

6,209

4.7

  合計

94,282

-

131,878

-

資料:ウルグアイ国立食肉院(INAC)  
  注:輸出量は枝肉ベース


元のページに戻る