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米、肉豚販売契約の情報提供に向けた規則案を公表
【ワシントン駐在員 渡辺 裕一郎 9月7日発】米農務省(USDA)は9月5 日、肉豚の生産者とパッカーとの間の販売契約に関する情報提供を行うため、パッ カーにおける契約内容の報告義務などについて定めた規則案を公表した。 これは、「99年家畜強制報告法」に基づいて行われるパッカーや輸入業者に対す る取引価格等の情報報告義務制度と一体的に導入されることとなった措置であり、 同法によって一部改正された「パッカー・ストックヤード法」の規定が根拠となっ ている。 近年、販売契約による肉豚の取引が急速に進展する中で、生産者の間では、他の 当事者間で、どのような契約条件が設定されているかといった情報を知ることがで きないため、自らの契約内容が妥当なものかどうかを検証できないという不満があ った。 今回の措置は、こうした声にこたえるため、USDAが、パッカーからの報告を 基に、販売契約の実態を取りまとめ、その結果を、インターネットなどを通じて広 く公表するというものである。 規則案によると、対象となるのは、過去5年間における年平均の処理頭数または 処理能力が10万頭以上のパッカーであり、USDAにおいては、以下に掲げる2種 類の情報提供が行われることとなる(個々のパッカー名は明らかにされない)。 (1) 肉豚パッカー販売契約一覧 パッカーは、生産者と取り交わしている契約条件の代表例について、その内容が 変更されるたびに報告する。具体的には、@契約のタイプ(取引価格の設定方式が、 市場価格や先物価格などに基づく一定の公式によるものか否かなど)、A取引価格 の算定方法(基準価格や、赤身率・枝肉重量に応じた上乗せ額の設定根拠)などで ある。 USDAは、こうした情報を地域単位で整理した上で公表し、パッカーからの新 たな報告があるたびに更新することとしている。 (2) 月報 パッカーは毎月、契約のタイプごとに、肉豚の契約対象頭数を報告する。具体的 には、@現行またはこれから導入しようとする契約のタイプ、A6ヵ月後および12 ヵ月後の契約のタイプごとの推定出荷頭数などであり、USDAは、これを地域単位で 合計し、毎月公表することとしている。 本規則案は、30日間のコメント期間を経た後、最終的に決定されることとなる。 なお、既報(海外駐在員情報8月8日号)の通り、USDAは、生産者とパッカー (豚肉以外の食肉も対象)との間の公正な取引を確保するため、別途この秋に、生 産・販売契約の内容自体をも規制する規則案を公表する意向も明らかにしており、 前述の取引価格などの情報報告義務制度に関する規則案と併せて、パッカーに対す る新たな規則案が、本年だけで3本も出揃うことになる。
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