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2000年度の米国食肉会社ランキング



【ワシントン駐在員 樋口 英俊 8月2日発】先ごろ、米国の食肉業界誌「ミー
ト・アンド・ポルトリー」において、通算23年目となる食肉産業各社の2000年度販
売高に基づくランキングが発表された。

 これによると、上位2社については、99年度と順位が入れ替わり、コナグラ・フ
ーズ社(本社ネブラスカ州)が前年度比45%増の200億ドル(約2兆5,200億円:1
ドル=126円)で首位に立った。一方、99年度首位のIBP社(本社サウスダコタ州)
の販売高は、国内での牛肉消費や輸出が堅調であったことなどから、前年度比21%
増の170億ドル(約2兆1,420億円)に達したものの、2000年度は2位となった。た
だし、コナグラ・フーズ社では、2000年度から会計報告の方法が変更されたことに
伴い、食肉部門以外の販売高も含まれることとなったため、同部門に絞った純粋な
比較はできない。

 これに続いて、前年度と同様にカーギル社(本社ミネソタ州)が前年度比11%増
の100億ドル(約1兆2,600億円)で3位となった。タイソン・フーズ社(本社アー
カンソー州)も、順位は前年度同の4位を維持したものの、鶏肉の供給過剰で価格
が振るわなかったことやシーフード事業の売却などにより、販売高は前年度比3%
減の71億5,800万ドル(約9,019億円)となった。また、スミスフィールド・フーズ
社については、独自の小売ブランドの販売増などにより、販売高が前年度比35%増
の51億ドル(約6,426億円)を記録し、前年度の7位から5位に上昇した。

 米国の食肉業界のランキングでは、企業買収が大きな影響を与えており、例えば
スミスフィールド・フーズ社は、過去2カ年度において、12の企業を買収(または
投資)したことが、今回の大幅な販売高増加の重要な要因になったとされる。今年
3月にいったん白紙となったタイソン・フーズ社によるIBP社の買収については、
6月に米連邦地方裁判所からタイソン・フーズ社に対して、買収の完結を命ずる判
決が下された。最近の報道によると、数カ月内に買収がまとまるものとみられてお
り、実現すれば、同社が次年度のランキングで首位になることは、ほぼ間違いない
だろう。
 
         2000年度の上位5社
順位
(99)
会社名 販売高
(百万ドル)
前年度比
(%)
1(2) コナグラ・フーズ社 20,000 +45
2(1) IBP社 17,000 +21
3(3) カーギル社 10,000 +11
4(4) タイソン・フーズ社 7,158 - 3
5(7) スミスフィールド・フーズ社 5,100 +35
資料:「Meat & Poultry」2001年7月号
 注:コナグラ・フーズ社の販売高は、会計報告の変更により、加工済み食品
   (Package Foods)部門および冷蔵・冷凍食品部門の合計となっており、
   食肉以外の食品も含まれる。


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