ALIC/WEEKLY


亜国農牧庁、今年度の農作物生産見込みを発表



【ブエノスアイレス駐在員 浅木 仁志 6月15日】アルゼンチンのパンパでは
小麦、トウモロコシ、ソルガムなどの穀物、大豆やヒマワリなどの油糧種子栽培が
盛んで、6月は主要作物のパンパでの収穫が終盤に向かい、その年の収穫量がほぼ
確定する。農牧水産食糧庁によると、今年は5月以降の長雨の影響で一部地域で収
穫が遅れているものの、トウモロコシ、ソルガムの7割、大豆の9割、ヒマワリの
すべてが例年通りのペースで収穫されている。

 2000/01年度(作目ごとに期間が異なる、作物市場年度のこと。2000年に作付け
された穀物類の2001年の収穫を表す)の大豆、トウモロコシ、ヒマワリ、ソルガム、
落花生、米の総生産量は4,875万トンで前年度比2.3%増と予測された。大豆を除く
作物が前年度比で減少し、大豆のみ28%増となり全体の生産量を押し上げた。2000
/01年度生産予測を中心に概括する。

(小麦)
 2000/01年度(2000年12月1日〜2001年11月30日)の生産量は1,600万トンで前
年度比4.6%増。国内仕向けは小麦粉としてパン、めん類の原料。同国は小麦の対
日輸出を2国間貿易の課題としてきたが、品質上の問題で、輸出は実現していない。

(トウモロコシ)
 対日貿易では圧倒的な米国に次ぐ地位を保つ。2000/01年度(2001年3月1日〜
2002年2月末日)の生産量は1,540万トンで前年度比8%減。今年の減産予測は、
近年トウモロコシの国際価格低迷と大豆の収益性向上で生産が大豆にシフトしたこ
とによる。アルゼンチン産はたんぱくとカロチン含量の多いフリント種で、単収と
作付面積の増加で収量を伸ばした。遺伝子組み換え品種の作付けはEUで承認され
たものに限られ、作付面積の数%といわれている。

(大豆)
 2000/01年度(2001年4月1日〜2002年3月31日)の生産量は約2,600万トンと
予測値は過去最高を示す。遺伝子組み換え品種を小麦収穫後の農地に不起耕で作付
ける技術が広がり、低コストで二毛作目の収量増加したこと、国際相場が上向いて
いることなどが増収につながった。大豆の大半は搾油産業にまわり、油と大豆かす
が生産され日本をはじめ各国に輸出される。遺伝子組み換え品種の作付けはEUで
承認されたものに限られ、作付面積の約80%といわれている。

http://lin.alic.go.jp/alic/week/2001/jun/wpe1202.jpg (23153 バイト)
注)2000/01は予測値。データは農牧水産食糧庁とコンサルタント情報から作成


元のページに戻る