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ウルグアイ、口蹄疫再発で牛肉輸出の減少を懸念



【ブエノスアイレス駐在員 浅木 仁志 5月23日発】ウルグアイ国立食肉院
(INAC)が発表した2000年の食肉統計によると、同国の2000年の牛飼養頭数、
と畜頭数および牛肉生産量(枝肉ベースの推計値)は、それぞれ1,033万頭、186万
頭、42万トンで、前年比それぞれ0.6%減、6%増、1.7%増だった。輸出量(製品
ベース)は17万7千トンで、前年比13%増であった(下表参照)。 

 2000年のと畜内訳は雌牛が45%、去勢牛が51%、子牛と雄牛で4%である。 

 2000年の輸出量(製品ベース)を地域別に見ると、北米自由貿易協定(NAFT
A)に6万2千トン、メルコスルに3万8千トン、中東・アジアに4万1千トン、
アフリカに7千トンと軒並み前年を上回り、唯一EU向けが2万1千トンで前年の
2万5千トンを下回った。NAFTA向けは前年比29%増で、カナダとメキシコ向
けの増加が顕著だった。中東・アジア向けでは日本と韓国向けの輸出増加が著しく、
それぞれ5,655トン、6,886トンで、どちらも大部分が冷凍牛肉である。同様に最近
4ヵ月(2001年1〜4月)の輸出量の動きを見ると全体で68,275トン、地域別では
NAFTAに2万7千トン、メルコスルに1万5千トン、EUに9千トンと前年同
期を上回っている。しかし大半がイスラエル向けである中東・アジアについては、
1万4千トンと前年同期の1万8千トンをかなり下回った。これは2000年10月にウ
ルグアイで口蹄疫が発生し、日本、韓国、香港が市場を閉鎖したことによる。

 2001年1〜4月の輸出量は前年同期比わずか1%弱の減少で、量的には昨年の口
蹄疫の影響はほとんど現れなかったといえよう。

 今後の問題は4月下旬に再発生した口蹄疫で、現在約779件の発生が報告されて
いる。第1回目のワクチン接種終了が5月末、2回目終了が7月中旬とされ、迅速
で透明性のある防疫対応が評価され7月までにEU向け輸出が再開される業界予測
もある。しかし、清浄国への輸出再開には発生終了から1年以上の期間が必要とさ
れ、前途は必ずしも楽観はできない。

http://lin.alic.go.jp/alic/week/2001/may/wpe1.jpg (33992 バイト)

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