ALIC/WEEKLY


米ウオルマート、女性をターゲットに牛肉の栄養的価値をPR


【ワシントン 渡辺 裕一郎 3月28日発】 先ごろ日本にも進出することを発表した
世界最大の小売スーパー・チェーン、米ウォルマートは、女性をターゲットにした
健康に関するキャンペーンの一環として、牛肉の栄養的価値についてPRするパン
フレットの配布を開始した。

  このキャンペーンは、非営利団体「女性の健康に関する発言(Speaking of Women's 
Health:SWH)」との提携により、全米の約2,800店舗において展開されるものであ
り、店内の薬局のそばに設けられた常設コーナーでのパンフレットの無料配布のほ
か、女性を対象にした健康チェックなどの各種イベントの実施も予定されている。
ウォルマートによれば、「女性はウォルマートの顧客の中で非常に重要な位置を占
めている。その女性が我々に求めているのは、毎日の生活の中で活用できる情報の
提供であり、SWHとの提携によってこれが可能になる」としている。

  配布されているパンフレットは、「スキンケア」や「更年期」といった女性特有の
テーマから、「糖尿病」、「心臓病」、「睡眠」、「ストレス管理」などの20種類以
上の幅広い分野ごとに作成されており、それぞれについて、分かりやすいアドバイス
とともに、「健康のレシピ」として、摂取すべき食品や日頃から気をつけるべき生活
習慣のリストなどが掲載されている。

  その中の「生活のためのより良い栄養(Better Nutrition For Life)」というタイ
トルのパンフレットには、栄養バランスの取れた食事を取ることの重要性と、これを
実現させるためのアドバイスが記されている。その記述は、SWHが、10名の女性有識
者から成る「女性の栄養問題解決のための協議会(Council for Women's Nutrition 
Solutions:CWNS)」の協力を仰いで作成したものである。CWNSは、全国肉牛生産者・
牛肉協会(NCBA)が肉牛生産者からのチェックオフ(1頭当たり1ドルの賦課金)
を基に創設した組織である。

  具体的には、「赤身の牛肉(lean beef)、魚、鶏肉、乳製品、色とりどりの野菜、
葉の多い緑色野菜、全粒穀物のパンやシリアルなどの栄養に富んだ食品を組み合わせ
て摂取することを心がけましょう」として、そのための8つのポイントをアドバイス
している。このうち、牛肉に関連しては、

・ 10代の女性の75%および20〜50代の女性は鉄分が不足しています。牛肉、豆類、
  ほうれん草、コラード(青菜の一種)の若葉といった天然の鉄分の供給源を摂取し
  ましょう
・ 亜鉛は、免疫システムの維持のために欠かせない役割を果たしています。牛肉、
  穀類およびナッツによって亜鉛は摂取できます。
  
  とあるほか、ビタミンとミネラルに富んだ食品を組み合わせて摂ること、繊維分
の摂取を増やすことなどが挙げられている。

  また、「健康のレシピ」としては、牛肉とブロッコリーやピーマンなどの野菜を
炒めて御飯の上にかけた「アジア風牛肉野菜炒め」の調理方法が記載されている。

  このパンフレットは、全米のウォルマート各店舗で合計約82万部が用意されてお
り、牛肉関係者もそのPR効果に大きな期待を寄せている。



元のページに戻る