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養鶏産業の実情を報告(マレーシア)


【シンガポール 小林 誠 9月19日発】 マレーシア農業省獣医局は、2001年の
マレーシア半島諸州におけるブロイラー産業と卵用鶏産業の実態および2002年の
見込みに関する調査結果を公表した。実態調査の対象は、ペアレント・ストック  
(PS)農場とふ卵場であり、昨年6月から10月にかけて調査が行われた。
 
  実態調査の調査項目は、ブロイラー、卵用鶏ともにほぼ共通の次の9項目であ
った:@PSの導入スケジュール、APSの導入総数(卵用鶏の場合、PSの現
在飼養数)、B供用終了週齢、C産卵開始週齢、D5〜10%産卵週齢、E育すう
および産卵期間におけるへい死率、F平均ふ化率、G品種別割合、H1鶏舎当た
りの販売可能ひな数。
 
  調査結果は、調査項目に挙げた項目ごとに記述するのではなく、これらのデー
タを基にして、両産業の動向を分析する方法が採られている。
 
  ブロイラーに関する調査結果によると、昨年、ブロイラー用素ひなを生産した
のは26社の63農場であった。26社のうち、インテグレーターは 5社だけだが、P
Sひなの導入数で見るとインテグレーター分が 約245万羽となっており、全体の
約63%を占めていた。PSによるひなの生産羽数は、約3億9,661万羽であった。
これにタイからの輸入分である 911万羽を加えたものが昨年のブロイラー生産の
基礎となっており、ブロイラーの生産羽数を対前年比 5%増の約3億8,256万羽
と推計している。品種構成は、コブ(31.6%)、アーバー・エーカー(29.2%)、
エビアン(28.6%)、ロス(7.2%)の4品種で96.6%となっており、特に、コブ
種の羽数は前年の2倍となる大幅な増加を示している。ブロイラー用素ひなの価
格は、1羽当たり0.7〜1.5リンギ(約22〜48円:1リンギ=32円)の範囲で変動し
た。また、ブロイラーの農家出荷価格は、生体重1s当たり2〜3.5リンギ(約64
〜112円)の範囲であった。
 
  卵用鶏に関する調査結果によると、昨年、卵用鶏素ひなを生産したのは12社、
現存PS雌鶏数は約38万6千羽となっており、前年とほぼ同数であった。昨年の
雌PS導入数は、約35万羽であり、導入先は 81.5%がEU、12.3%がインドネ
シア、6.2%が米国となっている。PSの品種構成は、ローマン(24.6%)、ハイ
セックス(19.0%)、イサ・ブラウン(17.1%)、ゴールデン・コメット(12.0%)
、H&Nブラウン・ニック(9.5%)、バブコック(9.2%)、ハイライン(8.6%)
の7品種であった。PSから生産された卵用鶏素ひなの羽数は、約 2,173万羽で
あり、ひな1羽当たりの価格は、1.85〜2.1リンギ(約59〜67円)の範囲で比較的
安定的に推移した。鶏卵の生産個数は、ほぼ前年並みの約57億2千万個であり、
1個当たりの平均農家出荷価格は0.155リンギ(約5円)と前年を約3%下回った。
 
  2002年の見通しについて、報告書では、ブロイラー用素ひなの生産羽数を対前
年比約3%増の4億805万羽、ブロイラーの生産羽数を同 1.3%増の3億8,761万
羽とし、ブロイラーの農家出荷価格も前年並みに推移するとしている。また、卵
用鶏については、卵用鶏素ひなの生産羽数を対前年比約3.8%増の2,256万羽、鶏
卵生産個数をほぼ前年並みの57億3千万個とし、生産過剰基調が続くことを見込
んでいる。
   

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