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USDA、養豚経営体の繁殖部門構造調査を発表(米)


【ワシントン 道免 昭仁 9月19日発】米農務省(USDA)全国農業統計局(N
ASS)は9月13日、「繁殖用豚群の構造調査(Hog Breeding Herd Structure)」
において、大規模な経営体における繁殖部門の状況についてレポートしている。
概要は次の通り。


 ・ 豚を5,000頭以上飼養する経営体(以下「5,000頭以上飼養経営体」)による
    2001年の年間子豚生産頭数は全体の75%(約7,460万頭)を占め、94年(当年
    から調査開始)には27%(約2,740万頭)にすぎなかったこれらの大規模経営
    体の同シェアは、7年間で約3倍の伸びとなった。

 ・ 93年には約990であった5,000頭以上飼養経営体の数が、2001年には 2,200を
    超え、93年に約21万7千あった豚を5,000頭未満飼養する経営体(以下「5,000
    頭未満飼養経営体」)の数が2001年には7万9千を下回った。

 ・ 養豚経営全体における1腹当たりの年間産子数は、79年に 10.30頭であった
    が、2001年には16.18頭と 57%の伸びとなった。このことにより、2001年の
    79年との比較で繁殖豚頭数が38%減少したにもかかわらず、年間子豚生産頭
    数は2%の減少にとどまった。

 ・ 5,000頭以上飼養経営体の1腹当たりの年間産子数は、97年(当年から調査開
    始)に16.08頭だったが、2001年には16.59頭と3%の伸びとなり、5,000頭未
    満飼養経営体は、97年の13.43頭から2001年には15.05頭と 12%の伸びとなっ
    ている。
 
 ・ 5,000頭以上飼養経営体の1腹・1回当たりの産子数についても、94年の 8.74
   頭から2001年には8.94頭と2%の伸びとなった。2001年には、 5,000頭未満
    飼養経営体は、94年の8頭から8.49頭と6%の伸びとなり、小規模層の伸び率
    が顕著に高くなっている。これは、5,000頭未満経営体のうち、特に効率性の
    悪い経営体の離農が進んだことがその要因と考えられる。

 結論として、USDA・NASSは、この5〜10年間における繁殖豚部門の効率
性の向上は、大規模で効率性の高い経営体の増加と、小規模で効率性の低い経営体
の減少によるものと分析している。また、同レポートは、年間子豚生産頭数の75%
を占めるまでになった 5,000頭以上飼養経営体を中心とする養豚の構造は、今後も
続いては行くものの、これまでの10年間のような劇的な変化は起こらないだろうと
結んでいる。

 一方、8月に急落した肥育豚価格の動向については、既報(「海外駐在員情報」
(通巻546号))の通りであるが、これを受け、USDAは、学校給食プログラム向
けなどとして、3千万ドル(約35億7千万円、1ドル=119円)相当の豚肉の追加
的な緊急買い上げを実施すると発表した。 この効果もあってか、9月に入り肥育
豚価格は若干持ち直しつつあるものの、9月17日にUSDAが発表した「Livestock,
Dairy & Poultry Outlook」によれば、肥育豚価格は第3四半期(7〜9月)が100
ポンド当たり34〜35ドル(1キログラム当たり約89〜92円)、第4四半期(10〜12
月)が26〜28ドル(約68〜73円)、通年では33〜34ドル (約87〜89円)で推移する
と予測し、それぞれ1ドル下方修正された。

  成熟化の進む養豚の構造ではあるが、肥育豚価格の低迷など今後も厳しい状況が
続くことが予想される。







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