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チリ食肉需給の現状と2003年の生産予測



2002年の食肉生産量は、前年比1.1%減

 チリ農業省農業政策・調査局(ODEPA)は4月15日、同国における食肉需給
の現状と2003年の生産予測に関する報告書をまとめた。これによると、2002年の食
肉生産量(牛肉、羊肉、豚肉、山羊肉、馬肉、家きん肉。枝肉換算ベース。以下同
じ)は101万6千トンとなり、前年を1.1%下回ったものの、2年連続で100万トン
台となった。また、1人1年当たりの食肉消費量は、生活レベルの向上などにより、
10年前の92年と比べて 63.5%増の72.9キログラムに達した。牛肉、豚肉、家きん
肉の概要は、次の通りである。


記録的な低水準となった2002年の牛肉生産
 チリの牛肉生産量は、干ばつに伴う粗飼料不足などの影響で、97年をピークに減
少している。2002年は前年比8.1%減の20万トンとなった。このような記録的な低
水準となった要因は、前年の乳価上昇に伴い生産者の経産牛保留傾向が強まったこ
となどが挙げられる。

  同国では、90年代における牛肉の需要増加に伴い輸入が増加し、2002年は需要量
の4割以上を輸入している。なお、2002年の1人1年当たりの消費量は、23.2キロ
グラムである。同年の牛肉輸入量(冷凍または冷蔵。製品重量ベース)は、前年比
20.1%増の 10万2千トン(うち約8割が冷蔵肉)となった。輸入相手先を見ると、
ブラジルが 7万2,100トンと最大で、全体の約7割を占める。次いでパラグアイ1
万8,600トン、ウルグアイ1万1,300トンとなった。一方、口蹄疫発生によるアルゼ
ンチン産牛肉輸入停止措置が2002年末に解除されたため、今後は、ブラジルとアル
ゼンチンの輸出業者間の競争激化が予想される。

 2002年の牛肉貿易について特筆すべきは、前年比約52倍の3,500トン(冷凍または
冷蔵)を輸出したことである。輸出相手先を見ると、イスラエル1,574トン、リビア
698トン、キューバ692トンなどとなった。口蹄疫ワクチン不接種清浄国であるチリ
は、日本向けにも骨なし冷凍肉10トンを輸出した。2003年の生産量は、さらに減少
する可能性は少なく、2002年と同水準かやや増加すると見込まれる。


豚肉は消費や輸出の増加から生産増

  90年以降、チリの豚肉生産量は、一貫して増産傾向が続いている。2002年は前年
比15.7%増の35万1千トンで、過去最高となった。こうした増加の背景には、国内
需要の増加(1人1年当たりの消費量が前年比12.8%増の20.3キログラム)や輸出
量の増加などがある。2002年の豚肉輸出量(冷凍または冷蔵。製品重量ベース)は
、85.7%増の4万6千トンとなった。相手先を見ると、日本が2万2,600トン(冷
凍)と最も多く、次いでメキシコ1万 2,200トンとなった。このような輸出の増加
傾向などから、2003年の生産量は、9.7%増の38万5千トンと見込まれる。


家きん肉生産は減少に転じる  

 92年以降におけるチリの家きん肉生産量の推移を見ると、2001年までは一貫して
増加していたが、2002年は前年比8.4%減の44万4千トン(骨付きベース。以下同じ
)と減少に転じた。このうち、ブロイラーは37万1千トン(前年比9.1%減)、七面
鳥は6万7千トン(同4.3%減)となっている。1人1年当たりの家きん肉消費量は
同4.4%減の28.3キログラムとなったが、食肉の中では最も多く、依然として高水
準である。

  家きん肉の減産要因の1つとして、同国では、2002年5月末に鳥インフルエンザ
が発生したため、主要な輸出市場を失ったことから、同年の家きん肉輸出量が、前
年比36.0%減の1万8千トンと大幅に減少したことが挙げられる。しかし、2002年
6月19日以降、鳥インフルエンザの新たな発生は確認されていない。現在では、メ
キシコなど一部を除き、多くの市場が輸入を再開している。2003年の家きん肉生産
量は、前年に比べ約4%の増加が見込まれるが、これは2001年を下回る水準である。
 

【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 4月23日発】 


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