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CPインドネシア社、食鳥処理能力の拡大を計画


東ジャワ州に食鳥処理場新設計画
  タイを本拠とするチャロン・ポカパン(CP)社のグループ企業であるCP
インドネシア社は5月22日、東ジャワ州に大規模食鳥処理施設を建設する
意向を表明した。計画の詳細は明らかにされていないが、同社は今月に入
って、設立以来初めて5千億ルピア(約80億円:100ルピア=1.6円)相当
の社債を発行し、社債の発行によって調達される資金の約7割を新規投資
に充てることを公表しており、相当部分が食鳥処理場の建設に充てられる
見込みである。同社はジャカルタ近郊に1時間当たり4千羽、中抜きと体換
算で月産千トンの処理能力を有する処理場を所有しているが、新処理場は
最新設備を導入し、処理能力をさらに向上させるとともに、付加価値の高
い調製品の加工まで行えるものだとしている。新処理場で製造された製品
は新たに「フィエスタ」ブランドを創設し、販売促進を図っていく予定で
ある。
 

10%超の増収を見込む

  2002年のCPインドネシア社の総売上高は約3兆9千億ルピア(約624億
円)、営業収益は約1,310億ルピア(約21億円)となっている。同社は今
年の売上高を前年比10〜15%増と見込んでいるが、今年に入ってから同社
の売上高の14%程度を占める初生ひなの価格が1羽当たり1,500ルピア(
約24円)を下回る水準にまで下落したため、3月までの収支は少なくとも
70億ルピア(約1億1千万円)の赤字となっていた。初生ひなの価格は4
月に入ってから同2,200ルピア(約35円)程度まで回復したため、4月の収
支は110億ルピア(約1億8千万円)の黒字に転換している。

  インドネシアの経済は97年のアジア通貨危機により大きな打撃を受けた
が、99年以降はいわゆるV字型回復となった。経済回復にともなって鶏肉
と鶏卵の消費量も順調に増加しており、99年以降2002年までの消費量は鶏
肉が年率9%、鶏卵が同10%程度の増加を示している。このように消費量
が増加しているとはいうものの、同国の1人1年当たりの鶏肉消費量は約
4.2キログラム(ブロイラーと在来鶏との合計)、鶏卵消費量は同71個と
なっており、タイなど近隣諸国に比べてかなり低い水準にある。世界的な
経済減速の中、同社が大幅な増収見込みを行っている背景には、タンパク
質源としての鶏肉や鶏卵の消費拡大の余地が大きいことがあるとみられる。


インドネシア農業省、生産増による輸出機会を期待

  農業省は2004年の畜産部門の成長率を前年比7%増と見込んでおり、そ
れには約7兆2千億ルピア(約1,152億円)の新規投資と8万〜9万人の
雇用増が必要であるとしている。同省畜産総局は、このような巨額の投資
は政府単独では行えないため、民間からの投資を促進することが不可欠で
あるとしており、2004年度予算では、投資促進策のための今年の予算額で
ある2,730億ルピア(約44億円)の1.9倍に相当する5,200億ルピア(約83
億円)を要求している。ソフジャン総局長によれば、民間投資を活発にす
ることにより食肉の生産量は180万トン、鶏卵の生産量は70万トン程度に
達することが見込めるとしている。また、同局長は同年の食肉消費量を160
万トン、鶏卵の消費量を60万トンと見込んでおり、生産量が消費量を上回
り新たな輸出余力が生じるとして、国内消費の拡大がCPインドネシア社の
思惑どおりには進まないことも示唆している。



 
【シンガポール駐在員 小林 誠 5月28日発】 

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