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EUとメルコスル、自由貿易に進展


EUとメルコスルが最終計画表を作成
  EU委員会は11月12日、EUとメルコスル(MERCOSUR、南米南部共同市場)
が、両地域の自由貿易のための最終的な交渉計画(ブリュッセル・プログラム)に合
意したと公表した。
 
  この交渉計画は、同日ブリュッセルで開催された、両地域の貿易交渉担当閣僚によ
る会合で合意されたものであり、当外会議には、EU側からEU委員会のラミー委員
(通商担当)およびパッテン委員(対外関係担当)が、メルコスル側からは、ウルグ
アイ、アルゼンチン、ブラジルおよびパラグアイの外務大臣や通商大臣などが参加し
た。

  EUとメルコスルによる自由貿易等の交渉は、1999年6月から開始され、これまで
に10回の交渉が行われてきた。交渉は、政治的分野、経済協力分野および貿易と経済
の3つの分野からなっているが、2002年4月の第7回目の交渉で、政治分野と経済協
力分野については実質上合意に達している。その後、2002年7月の閣僚会合において、
2地域間における自由貿易地域の創設を目的とした貿易分野の交渉計画が取りまとめ
られ、これに基づき交渉が行われてきた。

  また、2002年7月の会合においては、最終的な交渉計画を作るための会合を2003年
の後半に開くことを決定していたことから、今回ブリュッセルでEU委員会とメルコ
スル関係国の担当大臣等による会合が開催されたところである。

 なお、EUはメルコスル地域より241億ユーロ(約3兆1千億円、1ユーロ=128円)
の輸入があり、そのうち132億ユーロ(1兆7千億円)が農業関係の産品である。一
方、輸出は全体で182億ユーロ(2兆3千億円)、そのうち6億ユーロ(768億円)が
農業関係の産品となっている。



   
今後の交渉スケジュールの概要

  今回合意されたブリュッセル・プログラムの概要は以下のとおり。
  
2003年12月1〜5日:二地域間交渉委員会
                  市場アクセスについての議論、農産物に関する第1回目の意見
                   交換など
                    
2004年2月:二地域間交渉委員会
                 市場アクセスについての議論、農産物に関する第2回目の意見
                   交換など

2004年4月:二地域間交渉委員会
                   サービス、政府調達投資などに関するオファーについての議論
                   など
            
2004年5月28〜29日:閣僚レベルでの交渉

2004年6月および7月:地域間交渉委会
                  共通文書の取りまとめなどを含む交渉、議論

2004年10月:閣僚レベルでの交渉

  

◎ 休耕(セット・アサイド)の率を削減

 EU委員会は11月11日、2004年に収穫される穀物に関する休耕(セット・アサイド)
の率を、10%から5%に削減する改革案を承認した。これは、この夏の猛暑の影響に
より、穀物の生産量が大幅に減少したため、猛暑の影響を受けた農家への支援策とし
て実施されるものである。今回の提案についてフィシュラーEU委員(農業担当)は、
「今回の提案は、猛暑の影響を受けた農家とともに、EUの穀物市場にとっても支援
になる」とのコメントを発表している。

 
【ブリュッセル 関 将弘 11月19日発】

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