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米政府、ロシアと関税割当制度実施について合意と発表 米国通商代表部(USTR)と米農務省 (USDA)は9月29日、米国、ロシア間で の家きん肉、豚肉および牛肉に係る市場アクセスについて関税割当制度を実施す ることで基本的に合意したと発表した。現時点では具体的な期間、関税割当数量 (TRQ)および枠内税率などは公表されておらず、事務折衝を経た後、これらを発 表するとしている。 USDAのベネマン長官は、「今回の合意は非常に喜ばしいことであり、特に家き ん肉貿易に良い影響をもたらす。衛生条件については一部合意には至らなかった が、今後もロシア当局と協議を続けることとしており、来年始めには決着がつく と確信している」と述べた。また、USTRのゼーリック代表は、「今回の合意は、 ロシアへの食肉輸出量がこれまでの水準に戻るとともに輸出機会を拡大すること になる。これは米国の生産者とロシアの消費者双方が獲得したものである。さら にこのことは、ロシアのWTO加盟への確かな一歩を示すものである」と述べた。 ロシア政府、今年に入り国内保護などを理由に輸入制限措置を実施 2001年の米国の食肉輸出に占めるロシアの割合は、家きん肉が1位、豚肉が 5位、牛肉が7位となっており、家きん肉の輸出金額は約7億ドル(約770億円 、1ドル=110円)に達していた。しかしロシアは、2003年1月、国内生産者の 保護などを目的に家きん、豚肉および牛肉輸入について、TRQ措置を講ずると発 表し、本年4月〜12月までの全体の豚肉 TRQを33万7千トン(枠内税率15%、枠 外税率80%)、同様に牛肉を31万5千トン(枠内税率15%、枠外税率60%)にす るとした。家きん肉については、本年5月〜12月まで74万4千トン(枠内税率25 %、枠外税率75%)となっている。 また、2002年11月以降ロシア政府は、米国のロシア向け家きん肉輸出業者の 加工施設における新たな衛生条件を定めるとともに、それら全ての施設の再査 察を行い、新たな輸出ライセンスを交付するとした。現在、約 360の処理加工 施設が承認され、約70の施設が承認待ちとなっている。 今回の発表に関係団体も賞賛 今回の発表を受け、関係団体からも賞賛のコメントが発表されている。全米 最大の牛肉生産者団体である全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)のデービス会 長は、「今回の合意は、米国の牛肉生産者に有益な市場を提供するだけでなく、 今後の国際市場の発展にもつながる。米・露政府の尽力に感謝する」と述べた。 同様に最大の豚肉生産者団体の全国豚肉生産者協議会(NPPC)のカスパーズ 会長は、「われわれ豚肉生産者は、最近のロシア政府の措置に振り回されてき た。衛生条件の問題などからロシアへの家きん肉輸出量が減少したことにより 、家きん肉の一部が国内市場に滞留したため、豚肉や生体の価格に影響が出た。 今回の合意により、今後はこれらが解消されると思う」と述べた。 また、全国鶏肉協議会(NCC)は今回の合意に対し賞賛する声明を発表すると ともに、一部合意に至らなかった衛生条件の取扱について、科学的根拠に基づ いた速やかな合意を希望するとしている。 業界紙などによれば、今回の合意で米国へのTRQなどは輸入制限措置以前の 水準が設定される見込みであるとしている。 【ワシントン駐在員 道免 昭仁 10月8日発】
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