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総飼養頭数、生産量はほぼ前年並み
欧州統計局(EUROSTAT)は、先般、2003年4月〜6月時点における豚の総 飼養頭数の推計値および2004年第1四半期の豚肉生産量の予測値を公表した。 豚の総飼養頭数は、前年に比べ大きな変化はなく前年同期比0.4%減の1億2,105万 4千頭となっている。主な生産国では、ドイツは1.7%増、スペインは0.3%増となっ ているが、フランスは0.7%減、デンマークは2.3%減、オランダは4.1%減となって いる。(なお、デンマーク統計局によると同国の豚飼養頭数については、本年1月時 点では、前年同期比0.6%増となっている。) また、本年5月に加盟が予定されている中東欧等10カ国のうちの主な生産国につい てみると、ポーランドは前年同期比0.1%減の1,861万8千頭とほぼ前年並みであるが、 ハンガリーにあっては3.1%増の509万7千頭となっている。 EU15カ国の豚肉生産量は、2004年第1四半期(1月〜3月)においては、前年同 期比1.0%減の5,098万1千トンと予測されている。 EU以外の要因に懸念
EUにおける豚肉の生産は安定している。しかし、EUの豚肉関係者の中には、米 国における牛海綿状脳症(BSE)患畜の発見やアジアを中心とした鳥インフルエン ザの発生により、日本の牛肉、鶏肉の輸入状況が例年と大きく変わり、日本における 豚肉の需要が強くなり、豚肉の輸入量が増加し、その結果、平成16年度も豚肉につい ての関税の緊急措置が発動ことになるのではないかと心配する声がある。 豚の飼養頭数
EU15カ国の豚肉の生産量
◎ 欧州委員会、ベトナムへの支援を表明 欧州委員会は2月11日、ベトナムにおける鳥インフルエンザ対策を支援するため、 百万ユーロ(約1億3,300万円、1ユーロ=133円)を支出することを公表した。こ の資金は、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)および国際獣疫事 務局(OIE)からの要請に応えるもので、緊急に必要な防護服等の購入に活用され ると見込まれている。 今回の支援公表に際し、欧州委員会のデビッド・バーン保健・消費者保護担当委員 は、「ベトナムは世界的に取り組んでいる鳥インフルエンザとの戦いの最前線となっ ており、この病気は、単にその地域のみならず、全世界に脅威を与えている。この戦 いを支援することはわれわれの義務である」とのコメントを発表している。 なお、欧州委員会は、既にEUの専門家をベトナムに派遣している。 【ブリュッセル駐在員 関 将弘 平成16年2月11日発】
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