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第1位のAMH他上位3社は変わらず 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)はこのほど、2003年(暦年)のフィードロット上位25社を発表した。 93年に初めて行われたこのランキング調査は、最近は2年ごとに行われ今回が5回目となる。ランク付けは、 2003年における出荷重量(推定枝肉重量)と収容能力に基づき(出荷重量と収容能力の重み付けは2:1)会 社単位で行われた。 調査結果によると、第1位は米国資本のオーストラリア・ミート・ホールディングス(AMH)社で、施設 を拡張し、4施設合計での総出荷重量が前回調査(2001年)から2.3%増の6万3千トンとなり、93年以来の トップの座を維持した。第2位には日系資本のオーキィ・ホールディングス社が単一施設としては最高位に入 り、第3位には同じく日系資本のロックデール・ビーフ社が続いている。 そのほか、上位陣では、前回調査で第9位のアロヌイ・フィードロット社を買収したオーストラリアン・ア グリカルチャラル・カンパニーズ(AACo)社が前回の順位を1つ上げ第4位に入った。また、ICMファー ム・プロダクツ・オーストラリア社やオーストラリア・カントリーチョイス社などが大きく順位を上げた。 上位20社の総収容能力7%増加 フィードロット業界にとって、前回調査以降の2年間は激動の時代であった。2002年初めに発生した記録的 な干ばつは、2002年のフィードロット総飼養頭数を過去最高にし、また、肥育用素牛の不足による素牛価格の 上昇や飼料用穀物価格の高騰を招いた。さらに、主な輸出先である日本でのBSEの発生の影響による需要の 減退や2003年の豪ドルの対米ドル相場の大幅な上昇などの影響も受けた。干ばつの影響が激しい時期には、フ ィードロットでは、国内市場向けを多く飼育し、肥育期間を短くして出荷し対処していた。 このような状況の中で、上位20社の総収容能力は前回調査に比べ7%増加し、総出荷重量は3.5%増加した。 MLAではこの要因を、穀物肥育牛に対する国内市場や海外市場からの需要の増加や企業の買収結果などの影 響とみている。また、上位25社で2003年の全体のフードロットからの出荷重量の56%を占める。さらに上位5 社で同じく27%を占める。 一方、国内市場向けおよび海外市場向けの出荷重量の比率をみると、前回調査と同様 34:66 と変わってい ない。国内需要が堅調だったことをうかがわせる。また、上位25社による主要輸出相手先は日本、米国、韓国 となっている。
【シドニー駐在員 井上 敦司 平成16年7月21日発】
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