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USDA、高病原性鳥インフルエンザに関する検疫を強化


USDA、2月にさかのぼり動植物検疫規則を暫定改正

  米国農務省動植物検疫局(USDA/APHIS)は5月10日、鳥インフルエンザH5N1高病原性株に関
する検疫規則を2月4日にさかのぼり暫定改正したと公表した。USDAは今回の規則改正の理由と
して、@アジアで高病原性鳥インフルエンザが同時多発的に流行し、多くの鳥のみならず少なく
とも22名の死者を出したこと、A世界保健機関(WHO)も鳥インフルエンザH5N1の高病原性株
について警鐘を鳴らしていること、B米国は重症型ニューカッスル病の発生地域からの鳥および
家きん肉などの輸入を規制しており、今回のアジアの高病原性鳥インフルエンザ発生地域からの
鶏肉などの輸入はこの規則により実質上禁止されていたものの、高病原性鳥インフルエンザの米
国への侵入の脅威が増大している状況下では強力な防疫措置が必要であることを掲げている。



鶏肉などの輸入制限を追加

  今回の暫定改正により、鳥インフルエンザH5N1高病原性株が発生している地域からの鳥およ
び家きん、同由来の未加工品の輸入については原則として停止される。ただし、教育や研究目的
で輸入されるものについては、一般に管理された環境下に置かれるため、鳥インフルエンザのま
ん延のリスクが低いとして輸入許可制としている。また、これまで60日以上ほかの地域や国に滞
在した米国由来の愛玩鳥については、30日間の自宅検疫や到着港における獣医師による検査が求
められてきたが、鳥インフルエンザH5N1高病原性株が発生している地域に滞在した愛玩鳥の再
入国については、滞在の日数にかかわらず、30日間の検疫施設への繋留が義務付けられた。ただ
し、カナダまたはメキシコから陸路で米国に再入国するものについては既に、国境において
APHISの獣医師の検査を受検することが義務付けられていることから例外的に輸入許可制とされ
る。

  また、これまで重症型ニューカッスル病の発生を理由に米国への輸入が制限されてきた地域に
加え、日本、カンボジア、中国、インドネシア、ラオス、韓国、タイおよびベトナムが、鳥イン
フルエンザH5N1高病原性株の発生が疑われる地域として、検疫対象国リストに追加された。

  なお、暫定規則について7月9日までに寄せられたすべてのパブリックコメントを考慮するの
みならず、東南アジア地域における鳥インフルエンザに関する情報が更に明らかとなった時点で
見直しを行うとしている。



鳥インフルエンザ対策費をCCCからAPHISに移管

 ベネマン米国農務長官は5月12日、USDAの商品金融公社(CCC)から1,370万ドル(約15億3
千万円、1ドル=112円)を鳥インフルエンザ対策費としてAPHISに移管したと発表した。この
うち、1,080万ドル(12億1千万円)は低病原性鳥インフルエンザの抑圧プログラムに、290万
ドル(3億2千万円)は先に2月に高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたテキサスでの
鳥のとう汰、サーベイランス、及び補償の経費に使用される。



鳥インフルエンザなどに関する非商業養鶏者への教育を開始 

  ベネマン米国農務長官は5月12日、非商業養鶏者などに対し、鳥インフルエンザおよびニュ
ーカッスル病の兆候などの症状に関する教育プログラムを開始したと公表した。

【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 平成16年5月19日発】

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