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NMPF、年次総会で2005年を総括 全国生乳生産者連盟(NMPF)は12月1日、サンフランシスコで年次総会を開催し、ベッケンドルフ 会長およびコザック最高執行責任者は、今年NMPFが実施した事業の成果を強調するとともに、今後進 むべき方向などについて2005年を総括する演説を行った。概要は以下のとおり。 価格支持制度の維持が優先課題 @価格支持制度の維持 2005年におけるNMPFの重要な成果の一つとして、乳製品価格支持制度を、これを廃止しようとする 提案から守ってきたことが挙げられる。当該制度は酪農家の基盤となる損失補償であるため、議会および 農務省(USDA)に対し、本制度の存続を要求することがNMPFにとって優先課題である。 ACAFTA締結の支持 2005年に最も注目を受けたものの一つとして、米・中米自由貿易協定(CAFTA−DR)の発効が挙 げられる。米国にとって中米地域への追加的な乳製品販売の機会はあまり大きくはないものの、さらなる 市場拡大のため、NMPFはCAFT締結を支持した。 B農場における大気排出物の調査 また、今年もう一つの重要事項は、農場における大気中の排出物調査について、全米チェックオフ資金 の一回限りの利用が議会により承認されたことである。酪農家にとって隣接する住民や監査機関から受け る圧力は増大しているため、それら情報の収集および提供の必要性がある。 CCWTの継続実施 さらに、生乳生産量削減(CWT)プログラムの実施については、それが唯一の理由ではないものの、 歴史的にみても2003年に当該プログラムが開始されて以来、すべての生乳販売価格を過去の平均以上に押 し上げている大きな要因となっている。 最後に同会長は、ハリケーン・カトリーナ復興のための寄付に対するブッシュ大統領の感謝状を披露し 演説を終えた。 新農業法へ向け優先事項の集約が必要 コザック最高執行責任者は、「われわれが今日立っている所は、これから向かうべき目的地ほど重要で はない」とするフレーズで演説を始め、聴衆に対し、今後の米国乳業界の進路について再考するよう求め た。 @世界貿易機関(WTO)交渉 最初の進路は、来たるべき香港閣僚会議である。ブッシュ政権は、ア.輸出補助金の撤廃、イ.国内支 持の削減、ウ.追加的な輸入に対する市場開放―を提案したものの、これらはわれわれ酪農家にとって十 分な政策とは認めらない。競争相手国においても同様の措置が採られることを主張することが重要である。 A2007年農業法 次の進路は、2007年農業法である。政府は、新農業法は現行の農業法とは内容が異なるものになるとし ているので、酪農業界として統一した取り組みを実施することが重要であり、優先事項のリストの作成が 不可欠である。 BCWTプログラムの拡大実施 CWTプログラムは、政府の安全保障プログラムを補完するものである。2006年は、米国産チーズおよ びバター製品の海外市場向け輸出支援プログラムを拡大実施することとする。 ◎USTR、G7の貿易支援策を支持 ポートマン米国通商代表部(USTR)代表は11月3日、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) が同日発表した後発発展途上国に対する貿易支援策を賞賛する声明を公表した。 当該支援策は、WTOドーハ・ラウンドに向け、貿易の振興が後発発展途上国の発展を促す重要な誘因 となることを期待して講じられるものであり、G7では年間40億ドル(4,880億円:1ドル=122円)が支 出されるものと見込んでいる。 同代表は、G7の指導力は13日に開幕する香港閣僚会議での成果を一層刺激するものであるとした上で、 最貧国の競争力確立を促進し、特にアフリカにおける経済基盤強化の必要性に優先権を与えているG7の 掲げた支援策を強く支持するとした。 一方、当該支援策は、ドーハ・ラウンド交渉を成功裏に終了させるため重要なものであるものの、野心 的なドーハ・ラウンド交渉の成果として生ずる発展に取って代わることは出来ない。米国は、貧困の縮減 を含む発展に最も多くの利益を産出するので、農業、製造およびサービス分野における市場アクセスの本 質的な改善を推し進める。 【ワシントン駐在員 唐澤 哲也 平成17年12月7日発】
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